森林・林業へのESG投資を 農中総研がフォーラム2022年3月16日
農林中金総合研究所(農中総研)は3月9日、都内でフォーラムを開き、「ESG投資の潮流と森林・林業・木材産業の将来像」について、講演とパネルディスカッションを行った。ESG投資とは環境・社会・企業統治に配慮する企業を重視して行う投資のことで、リスク管理の観点などから欧米を中心に広く浸透し、投資残高は年々増えている。特に温室効果ガス削減の必要性から農林分野への投資が増えており、そのなかで森林・林業・木材産業へのESC投資について各分野から取り組み報告があった。オンラインで約400人が参加した。
ESG投資のあり方を探ったフォーラム
フォーラムでは世界最大の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の宮園雅敬理事長が報告。GPIFは被保険者の利益のため、長期的な観点から年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することを目的としている。その点で長期的なスパンで取り組むべき農林業への投資に対して期待が大きい。
特に世界全体の生産活動のうち、半分以上が農林業など自然資本に強く依存していることを指摘し、宮園理事長は「自然の喪失は企業にとって、大きなリスクであるとともに、その解決はビジネス機会になる」と、農林業への投資の意義を強調した。
そのなかで炭素削減に大きな役割を果たしている林業の役割に触れ、特に建築材としてのコンクリートと鉄鋼の炭素排出量は木材よりもそれぞれ40%、30%高いことを指摘。国連欧州経済委員会(UNECE)など、ヨーロッパで、その認識が高まっていることを紹介した。
また、農中総研の多田忠義主事研究員は、日本の森林や里山について、「生物多様性対策が本格化するなかで再評価される可能性があり、そのためには「地域の現状・課題に応じた持続可能な森林経営や木材利用を推進する役割が期待される」と、持続可能な森林経営や木材利用の必要性を指摘した。
パネルディスカッションでは、①ESG投資やSDGsにかかる現状・課題認識と今後の方向性、②ESG投資やSDGs推進に必要な視点や事柄、期待、③国際的な視点から見た日本の森林・林業、木材産業、木材利用や木質化の強み・弱み、それを踏まえて強化すべきことーーなどについて意見交換した。
重要な記事
最新の記事
-
路線バスを使おう【消費者の目・花ちゃん】2025年1月11日
-
シンとんぼ(124) -改正食料・農業・農村基本法(10)-2025年1月11日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (41) 【防除学習帖】第280回2025年1月11日
-
農薬の正しい使い方(14)【今さら聞けない営農情報】第280回2025年1月11日
-
R・ケネディ・ジュニア氏が米国農務省長官顧問に指名された意味(2) 国際ジャーナリスト 堤未果氏2025年1月10日
-
鳥インフル 愛知県で続発22、23、24例目2025年1月10日
-
農地面積 1.1万ha減 目標面積下回る 2023年2025年1月10日
-
米価の見通し「高くなる」判断 過去最高値の「76」 米穀機構2025年1月10日
-
今年の一文字は「進」 山野JA全中会長2025年1月10日
-
(417)100年の流れ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月10日
-
JA貯金残高 108兆6262億円 11月末 農林中金2025年1月10日
-
鳥インフル 米イリノイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月10日
-
高校生が和牛飼育の取り組み競う「第8回和牛甲子園」16日から開催 JA全農2025年1月10日
-
愛知県産バラで新年を祝う「新春 バラ花束25%OFFキャンペーン」開催中 JAタウン2025年1月10日
-
「博多あまおう」5%OFF「あけおめ!あまおめ!新春セール」開催 JAタウン2025年1月10日
-
本日10日は「魚の日」福島県常磐沖産ひらめ漬け丼など特別価格で販売 JAタウン2025年1月10日
-
濃厚な甘さと豊かな香り「岐阜県産いちご『濃姫』フェア」12日から開催 JA全農2025年1月10日
-
焼き芋やスイーツを堪能「三島甘藷祭り」JA直売所などで開催 JAふじ伊豆2025年1月10日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施中 JA全農2025年1月10日
-
ホスピス在宅「ビーズの家」運営のbeadsへ出資 農林中金キャピタル2025年1月10日