九州からもサクランボ収穫支援 山形の労働力支援本格化 今年度は4000人目標へ JA全農山形2022年6月9日
担い手不足に悩む産地を支援するJA全農の労働力支援の動きが広がる中、サクランボの収穫期を迎えた山形県で産地支援の取り組みが本格化している。JA全農山形などでつくる山形県農業労働力確保対策実施協議会は、初めて九州からの応援チームも招いて人手不足に悩む産地への支援を進めており、今年度はのべ4000人規模の支援を目指している。
サクランボの収穫作業を支援する様子(山形県天童市で)
山形県のサクランボ産地は収穫期を迎え、各地で人手不足に悩まされている。昨年からJTBと連携して産地の労働力支援に乗り出した全農山形などは、今年はいち早く準備を進め、今月5日からは農作業の即戦力となる4人のチームを福岡県から受け入れて天童市などでサクランボの収穫を支援している。今月中に九州から計40人を受け入れ、それぞれ1週間前後滞在してサクランボの収穫を支援する予定。福岡県から訪れたメンバーは「九州では経験のないサクランボの収穫は新鮮で、山形を知るいい機会になった」などと話しているという。
産地への労働力支援に向けては、全農山形が作業の委託を希望するJAや農家などのニーズを取りまとめ、JTBが働き手の確保などを調整する。今年は福岡県や大分県で労働力支援の実績がある企業などの協力で、幅広く働き手の確保に取り組んでいる。働き手の移動に伴う交通費や宿泊費は、農水省の農業労働力産地間連携等推進事業で助成される仕組みとなっている。
全農山形は、昨年から主にサクランボ収穫期の人手不足解消に向けて労働力支援への取り組みを始めた。営農支援課の佐藤大輔さんが中心となってJAや農家から人手確保の状況を聞き取り、昨年度はサクランボや洋梨のラ・フランス収穫など12カ所から作業を請け負い、のべ約650人による支援を実施した。
今年は昨年度に支援した現場の口コミなどから支援を求める声が広がり、佐藤さんは、今年度はのべ4000人規模で幅広く産地を支援したいと話している。佐藤さんは「産地間で農繁期と農閑期に働き手が移動しながらお互い助け合える関係をつくって交流にもつなげたい。今後はワーケーションや旅行を組み合わせたり、部活動やスポーツ団体の合宿の合間に農作業をするなど、新しい視点で農作業に参加できる形も考えていきたい」と話している。
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