農業融資でJA職員研修を新設 農林中金2022年6月30日
農林中央金庫は、農業法人への農業融資実行額を伸ばすため、JAの農業融資担当者の実践力強化のための新たなオンライン研修を企画し、今年度最初の研修を6月28、29日の2日間開いた。
JAバンク中期計画では農業法人や大規模経営を中心に抱えている課題解決のためのコンサル機能を含めて金融仲介機能を一層発揮し、農業融資新規実行額を伸ばすことをめざしている。
これをスピード感を持って実現するためJAの農業融資担当者の実践力を強化するため農林中央金庫として初めて全県を対象に「農業融資実践力強化研修」を企画した。
研修の目的は、JAの農業融資担当者が農業法人などに出向く活動を実践するうえで必要となる業務知識や実践的スキルの習得。
具体的には農業近代化資金を利用するときに必要となる「経営改善資金計画書」の作成を支援できる知識や、自立した農業融資担当者として農業法人や大型農家にアプローチできることに加え、資金提供を通じて農業者のニーズや悩みを聞き出し、営農経済部門などと連携して経営課題の発見とサポートへとつなげることもめざす。
研修では講義だけでなく、グループディスカッションやケーススタディ、ロープレなどを重視する。
1回2日間で全部で3クール(6日間)を設定。第1クールでは農業融資の基本、農業近代化資金の特徴、農業法人などのアプローチの基礎を学ぶ。
第2クールでは営農類型別のポイント、融資以外のソリューション、ロールプレイングなど実践的な知識、スキルを学ぶ。第3クールでは専門的な知識、実践的なケーススタディを通じより高度な知識とスキルを学ぶ。
各クール間には2か月のインターバル期間があり、
その間に学んだ内容について自らのJAの実態確認や、アプローチリストの作成、さらには実際に農業法人にアプローチするなどの現場で実践する。研修と実践を繰り返すことで「農業近代化資金をフル活用できる人材を育成していきたい」(農林中央金庫)という。
6月28日からの第1クールに参加した第1班は10県域47JAと信連あわせて110名ほど。研修は営農経済職員の受講も可能だ。今後、8班までの日程が設定されている。
オンライン研修だが、県によっては信連などの会場に集まり、グループディスカッションをリアルで実施することもある。講師は農林中金職員が務める。
地域では大型経営のシェアが拡大しており、農業法人への融資強化がJAの存在感を高めるのに不可欠で「農家へのストレートなサポートと農業振興につながる武器」だと研修で強調した。
JAバンク統括部の熊倉竜也部長は「寄り添った対応ができるのはJAだけ。実践力の強化を」と参加者に呼びかけていた。
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