春肥の原料調達 順調 JA全農2022年7月28日
JA全農は7月27日の総代会後の記者会見で2021年度の事業成果と今年度の事業への取り組み状況などを説明した。
野口理事長(中央)桑田専務(左)安田専務(右)
野口栄理事長は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化が懸念され農業経営に大きな影響を与えているとして、肥料原料の調達について「中国、ロシア、ベラルーシからの調達は難しくなっており、産地の切り替えと多元化を進めている」と説明した。りん安の調達先としてモロッコも加えたほか、塩化カリではカナダからの調達を増やすほか、中東も調達先に加えた。
野口理事長は肥料原料価格は高止まりの見込みだが、「秋肥の調達の見通しは立っている。春肥の調達も順調に進んでいる」と話した。
飼料原料については、穀物メジャーとの競争が激化しており、米国では全農グレインの輸出エレベーターの増強や、内陸部の集荷施設の取得により米国産穀物の取り扱い拡大を図っているほか、ブラジルやカナダでも全農グレインが輸出体制を拡充し、「さらなるサプライチェーンの強化を図る」と話した。
2021年度の事業実績については、▽生産基盤の確立、▽食のトップブランドとしての地位の確立、▽元気な地域社会づくりへの支援、▽海外戦略の構築、▽JAへの支援強化の5つの最重点事業に取り組み、取扱高は前年比103%の4兆4724億円となった。
野口理事長は「JAや組合員の結集、グループ会社の結集の成果」と話した。
米 価格転嫁へ理解醸成
また、22年産米の見通しについて桑田義文専務は「2年間の作付け転換に取り組んでも、主食用米の価格はなお不透明」と指摘し、資源高騰が加わって「生産者の経営へのインパクトは極めて深刻」と強調。「コスト上昇分を何とか見える化して卸や実需者に向け価格転嫁が進むように、理解を醸成を進めていきたい」と話すとともに、「需給情勢と生産者の窮状をふまえて少しでも高い概算金が示されば」との考えを示した。
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