嫌いな野菜を農園で収穫「だいきらい野菜バイト」開催 JA全農2022年8月31日
JA全農は"やさいの日"の前日となる8月30日、野菜嫌いの小学生を対象に"きらいな野菜を収穫する"条件付きのアルバイト「だいきらい野菜バイト」"を開催。抽選で選ばれた参加者は東京都調布市の伊藤農園asobibatakeで実際に野菜の収穫を体験し、アルバイトの"ほうしゅう"として、収穫した新鮮な野菜と、図書カード1000円分を授与された。
「だいきらい野菜バイト」に参加した親子
JA全農が実施した「こどもの野菜嫌いに関する調査」では、小学生の8割が「きらいな野菜がある」という結果が明らかになっていることから、今回のイベントは、野菜の本当の良さを知る機会となるよう開かれた。実際に参加した小学生からは「やっぱり美味しくない...」という素直な声が挙がる一方 、「嫌いなトマトを食べられるようになった」「野菜をもっと知りたくなった」という声も聞かれ、野菜の良さを感じる一日となった。
イベントの冒頭では、JA全農広報・調査部の新妻成一部長が、開催趣旨と企画背景を説明。「今、日本人の野菜を食べる量は世界で10位くらいと少ない状況になっており、それと同時に農家のみなさんも少なくなっている。そこでJA全農は、農家のみなさんを応援するために、野菜のおいしさを知っていただき、みなさんが野菜に対する見方を変えてくれることを願い、今回の『だいきらい野菜バイト』を募集しました」と伝えると、子どもたちは真剣な表情で話を聞いていた。
農園で実際に野菜の収穫を体験
また、JA全農園芸部の田口湧基氏が「野菜の消費がなぜ減っているのか」と問いかけると、複数のこどもたちが積極的に手を挙げて答えていた。さらに、トマトやピーマンのそれぞれの嫌いなところをこどもたちが発表。形や苦味が理由として挙げられたが、田口氏から「トマトやナス、ピーマンには、身体に必要な栄養が沢山含まれている」と聞くと、子どもたちは驚いた様子だった。
続いて、収穫前には伊藤農園の伊藤彰一氏が、実際に収穫を行う農園や夏の野菜について説明。話を聞き終えた子どもたちからは、「早く収穫に行きたい!」「すごく楽しみ!」と野菜嫌いながらも初めての収穫体験を待ち望む声が挙がった。
収穫体験を親子揃って楽しむ参加者からは、嫌いな野菜を実際に手に取って「おいしそう!」「野菜収穫って楽しい!」という声も。また、「自分で収穫した野菜はやはり違う...!」「実際に収穫するのは今回が初めて。貴重な経験ができて嬉しい」など、一緒に参加した保護者もイベントを最後まで楽しんだ。
収穫の終了後は、主催者から感謝の気持ちを込めて"報酬ほうしゅう "を贈呈。この日、自分たちで収穫した新鮮な野菜と、図書カード1000円分が渡された。自分で野菜を収穫するという貴重な経験をした子どもたちは、イベントに参加する前と比べて野菜についての理解や関心が深まり、学びのある夏休み最後のイベントとなった。
同企画について、農林水産省農産局園芸作物課園芸流通加工対策の野島夕紀室長は「参加さえしてもらえば、野菜好きになること間違いなしの逆説的なコンセプトが野菜嫌いの子どもたちの興味を引く画期的なイベント。参加した子どもたちには今後とも自由な発想で農産物や日本農業に向き合ってもらいたい」と話している。
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