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【TACパワーアップ大会2022】TAC部門 優秀賞2022年11月25日

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11月17日に開催された「TACパワーアップ大会2022」でTAC部門で優秀賞を受賞した3事例を紹介する。

TACパワーアップ大会 TAC優秀賞

『生産基盤の見える化を核とした法人対応』

JAいわて中央 米田菜摘氏(岩手県)

JA岩手中央 米田菜摘氏JAいわて中央 米田菜摘氏

担当している法人は農地の受け手として農地集積が進んでいる。水稲、小麦などで約40haを管理している。管理ほ場が増加し作業が間に合わず、生育が不安定なほ場もあるなど、管理が徹底できていない実態を相談された。

そこでZ-BFМによる令和3年度の経営分析と4年度計画の策定を行った。分析の結果、栽培品目が多いことや、労働力とのバランスがとれていないことなどが分かった。データを営農センター内で共有し担当者全員で分析できるようになった。
今年度の経営計画では品目と品種の集約、臨時雇用から作業受託への切り替え、障害者雇用なども提案した。労働時間の削減と人件費の抑制、生産資材の過剰注文をなくすなどで経営者からも「適切な経営計画を立てることができた」と評価を受けた。

担い手への理解度を上げるには「訪問前の情報収集」の徹底が大事と米田氏。「担い手に真摯に向き合い1人1人の思いをかたちにしていきたい」と話した。

『担い手コンサルティングによる経営改善と事業承継提案』

JA松任 中田昌氏(石川県)

JA松任 中田昌隆氏JA松任 中田昌

後継者への事業承継を検討している法人に対してJAバンクが進める担い手コンサルティングを実施した。法人は将来、自社の枠を超え地域農業の発展をめざすことを目標に掲げ、健康志向の顧客をつかむ米づくりを強みとする。

品目別収支分析の結果、赤字品目は手間がかかり過ぎていることなどが判明し、品目を絞って生産コストを削減することや、省力化、低コスト資材の導入などを提案した。無人ヘリによる基幹防除の実施、土壌改良剤の投入なども提案し、今後、2~3年かけて効果を確認することにした。

信用部署との連携で基礎的な財務分析も行い、ビジネスを収益性の観点から見直す必要性も提起した。

取り組みを通じて経営分析の仕方、信用部門と連携の重要性、提案型推進の実施など課題が明確になった。法人では親子で認識を共有し、経営移譲を円滑に行う素地ができたという。今後は定期的に訪問し計画の進捗確認を行い、事業承継につなげる方針で中田氏は「TACが中心になって農家の悩みや課題を解決する決意」を強調した。

『集落営農法人の一つの未来~地域の問題解決に向けて~』

JAしまね 片寄俊一氏(島根県)

JAしまね 片寄俊一氏JAしまね 片寄俊一氏

管内の2つの集落営農法人は高齢化や、組織内のコミュニケーション不足などから将来展望が描けず、管内随一の経営規模を誇る農業法人との合併についてTACに支援を求められた。

経営規模や資産状況をそれぞれに把握すると、会計期間の違いや土地問題の解決方法などに課題があった。また、農業法人に一挙に集約すると管理が困難になる可能性もあった。

そこでTACから合併へのプロセスを提案した。合併の時期や農業機械などの処分方法などを細かく提案し合併を進めた。農地は200haを超え若手従業員も新規採用した。きれいな形で水田を任せることができたよかった、将来の不安が解消されたなどと評価。JAにとっても資材供給や米集荷にスケールメリットを出すことが今まで以上に可能になる。

ただし、県内にはさまざまな集落営農法人があり、多くが後継者不足で悩んでいることも片寄氏は指摘。今後、60歳前半の人が農業をしてもいいと思える仕組みができれば持続可能な農業ができるのでは、と提起した。

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