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内閣総理大臣賞に戸頃結さん(茨城県)と高森薫さん(佐賀県) 作文・図画コンクール JA全中2022年12月5日

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JA全中は12月5日、第47回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクールの入賞作品を発表した。
内閣総理大臣賞は、作文では茨城県筑西市立古里小学校6年の戸頃結さん、図画では佐賀県立武雄青陵中学校3年の高森薫さんが受賞した。

【内閣総理大臣賞 図画部門】「みんなで稲刈り」佐賀県武雄市立武雄青陵中学校3年 高森 薫【内閣総理大臣賞 図画部門】「みんなで稲刈り」佐賀県立武雄青陵中学校3年 高森 薫

1976(昭和51)年から開催し、今年で47回目を迎えた「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクールは、JAグループが推進する「みんなのよい食プロジェクト」の一環として実施。これからの食と農、地域を担う子どもたちにごはんとお米、日本の国土を豊かに作ってきた稲作をはじめ農業についての学びを深めてもらい、その重要性を広く周知することを目的としている。

今回の応募点数は作文部門3万3246点、図画部門4万4411点だった。11月15日と18日に東京・大手町のJAビルで全国審査会(作文審査会委員長=中村靖彦氏(東京農大客員教授)、図画審査会委員長=尾木直樹氏(教育評論家)を開催した。

表彰式は2023(令和5)年1月7日に開かれる。

各賞受賞者は以下の通り(敬称略)。

【内閣総理大臣賞】
<作文>
「水田のオーケストラ」
茨城県筑西市立古里小学校6年 戸頃 結

(講評)作品全体を水田のある自然環境と音楽という軸で貫きビバルディの「四季」のように、それぞれの季節の様を捉え、描いている文章は読み手の想像力を掻き立てる。自然や音楽が育んだと思われる感性の豊かさ、表現力の妙は群を抜いていた。

<図画>
「みんなで稲刈り」
佐賀県立武雄青陵中学校3年 高森 薫

(講評)力強い色彩と的確な描写が見るものを惹きつけ絵画の魅力を感じさせてくれる。5人の家族の姿からは米作りに取り組む「みんなの心」が伝わってくる。山並みの深い緑、地面の暗い茶、黒といってもいい深い色の使い方が印象的で力強い絵になっている。

【文部科学大臣賞】
<作文>
「はじめて見たおこめの花」
宮城県美里町立南郷小学校2年 髙橋紗世

「世界中にいっぱいの平和を」
広島県呉市立広小学校6年 相原 直

「お米は僕の人生に欠かせない」
鳥取県三朝町立三朝中学校1年 北岡 武朗

<図画>
「ママがつくったオムライス」
埼玉県富士見市立ふじみ野小学校1年 小野田 志乃

「棚田・代かきのお手伝い」
佐賀県鳥栖市立鳥栖小学校5年 馬場崎 心

「力の源は母のおむすび」
広島県福山市立一ツ橋中学校3年 森 絆奈

【農林水産大臣賞】
<作文>
「父ちゃんのバクダンおにぎり」
福井県鯖江市河和田小学校3年 杉本 旬

「ごはん一つぶの重み」
山形県米沢市立北部小学校5年 田村 理音

「まかしとき!」
長崎県壱岐市立郷ノ浦中学校1年 下村 翔渉

<図画>
「ごはんたけたよー! まーぜーてー」
東京都港区立赤坂小学校2年 吉野 珠生

「家族との手巻きずし」
埼玉県朝霞市立朝霞第七小学校5年 志堅原 結那

「やっぱり白米だわ!」
山梨県甲州市立塩山中学校2年 甘利 光琉

【全国農業協同組合中央会会長賞】
<作文>
「たすけてくれたおかゆさん」
東京都新宿区立柏木小学校1年 田村 風葡

「大好きなお米の明るい未来」
岡山県岡山市立大野小学校5年 岩佐 晴子

「祖父の想いを継いで」
茨城県茨城大学教育学部附属中学校3年 丸岡 奈央

<図画>
「おにぎり大好き」
長崎県諫早市立真城小学校3年 梅﨑 風駕

「キャンプごはん」
茨城県笠間市立友部小学校5年 大関 寧

「ごはんは何より欠かせない」
和歌山県和歌山市立貴志中学校2年 梅本 菜友美

【内閣総理大臣賞・作文部門】
「水田のオーケストラ」茨城県筑西市立古里小学校6年 戸頃 結

私は、ごはんと同じくらい西洋のクラシック音楽が大好きです。いつも私のとなりには相棒のピアノがあって、素敵な音楽に囲まれた生活をしています。豪かなオーケストラの演奏以外にも、私たちの周りには興味深い音楽があふれています。私は、ちょっとした好奇心から、お米作りと音楽の結び付きの可能性を探りたくなりました。私は、ゆっくりと目を閉じて、心を落ち着かせて、水田に耳をすませました。すると、静かな水田から四季折々の様々な音楽がきこえてきます。水田には、ときにはユニークで、ときには楽しく、そしてときには心をいやしてくれる、そんな多彩なオーケストラがひそんでいるようです。

私の家の目の前には、雄大な筑波山を背景にした水田が辺り一面に広がっています。普段は気に留めない水田の音でも、注意深くきくとリズムをともなった連続的なせん律がきこえてきます。春の季節には、水田からは土をうるおす水のせせらぎがきこえてきます。すんだ水の流れる音は、心にうるおいを与え、どこか生命力を感じさせます。水田にセキレイが訪れると、チチッチチッといったかわいらしいさえずりもきこえてきます。それは私の心を和ませてくれます。夏の季節には、水田から風にゆれる稲の音がきこえてきます。丈夫に育った稲の葉の間に緑風が吹いて、サラサラと優しい音を奏でます。それは、私をさわやかな気持ちにさせてくれます。また、星空の夜には、水田に生まれたカエルたちのケロケロ、クワックワッといった大合唱がきこえてきます。声楽家のように堂々と歌うカエルたちの歌声は、自由ながらも同一のせん律をくり返して、まるで輪唱をしているようです。水田は夕立のときにも音を奏でます。大つぶの雨がザーザーと稲の葉を打つ音は恵みの雨を喜んで稲たちがさわぎ出したようです。秋の季節には、黄金色の重そうな稲ほが大きくゆれるワサワサといった音がきこえてきます。鈴虫の鳴き声をアクセントにして幻想的な楽曲をアンサンブルしているようです。

しかし、冬の季節には、水田の稲はすっかり収穫され、水はなくなり、季節の小鳥たちも冬眠の時期をむかえます。ひっそりと静まり返った水田からは、木がらしが吹いたときのかわいた音だけがきこえてきます。それは、寒さときびしさを感じさせます。そのようなときには、にぎやかな水田のオーケストラも、春の交きょう曲の演奏に備えて一休みです。きっと来春のコンサートに向けて、新しい楽曲の創作にいそしんでいるのだと思います。

水田がおりなす音楽には、豪かなオーケストラとは違った音楽の美しさと楽しさが感じられます。それらは、四季折々の稲たちの気持ちを表現しているようです。きっと、こんな素敵な演奏ができるのは、豊かな自然環境が育んだオーケストラだからなのだと思います。

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