【年頭あいさつ 2023】村上光雄 一般社団法人 農協協会会長2023年1月1日
新年あけましておめでとうございます。
皆様方にはご健勝にて新春をお迎えになられたことと存じ心からお慶びを申し上げます。そして今年こそコロナが終息し、ウクライナ侵攻が一日も早く停戦いたしますようにとお祈りされたことと思います。
また旧年中は農協人文化賞をはじめとする農協協会の諸事業にご協力ご支援を賜り誠にありがとうございました。またしても、コロナ禍で計画変更を余儀なくされましたが、お陰様で無事新しい年を迎えることができました。心から感謝し、お礼を申し上げますとともに本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、昨年は長引くコロナ感染症に加え、ロシアのウクライナ侵攻、国内では安倍元首相の殺害による統一教会問題と、これまでたまっていたウミが一挙に吹き出したような一年でありました。その中で平和とは、国を守るとは、生きるとは何かが問われ続けた一年でもありました。また私たちの足元では出口の見えないコロナ禍とウクライナ侵攻、さらに円安とあいまって諸物価は高騰を続け、国民も農業生産現場も悲鳴をあげているのが実態であります。そしてこのような暗い状況下にあって、労働者協同組合法が施行スタートしたことは誠に喜ばしいことであり、「協同労働」の仲間が加わることにより協同組合運動も新たな展開をしていくものと思われます。そして農協運動再構築の起爆剤になることを期待するところでもあります。
こうして迎えた新しい年2023年、残念ながらこれといった明るい材料は見当たりません。しかし、私たちの農業・農村・農協にとっては将来をかけた重要な年であり、まさに「農業復興元年」であります。
すでに新しい食料・農業・農村基本法の検討作業が始まっておりますが、今回は内外諸情勢が大きく様変わりし、しかも米を除く農産物がほぼ完全自由化体制下で農業農村をどのように位置づけるかが問われています。その意味では歴史的転換の時であり、大胆な発想の転換が必要であります。まずは敗戦後78年が経過し、戦後農政の歩みを総括する作業から始めるべきだと考えます。何を目指し、何を行い、その成果は
どうであったか冷静に分析しないとしっかりとした計画はできません。第二に人口減少社会に入り、しかも東京一極集中はとどまらず地方はますます過疎化が進行して、農村は崩壊寸前であります。また農業生産人口は極度に減少し、今後さらに加速するものと考えられ、抜本的な見直しをしないと農業農村は消滅してしまいます。(すでに遅しですが・・・)
第三に食料安全保障についてでありますが、この事はいろいろ議論されているところであり、食料自給力の向上は当然のことであります。そして国民理解をいかに高めていくかが大きな課題でもあります。第四に地球温暖化などの気候変動対応であり持続可能な農業農村であります。この事は国際的にも避けて通ることはできず、政策段階のみにとどまらず生産現場でも大きな課題であります。第五に国際感覚を持って対応すること。私は我国の農政はヨーロッパなどに比べ周回遅れだと思います。国際的な流れに取り残されないようにしたいものであります。
以上、新たな食料・農業・農村基本法制定にあたって、私の思いを述べさせていただきましたが、農協協会としても改めて今年を「農業復興元年」と位置づけ、皆様とともにいろんな角度から検討議論していきたいと思います。
どうか本年もいろんなご意見をお寄せいただき、ご支援ご協力賜りますようよろしくお願いいたします。
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