【年頭あいさつ 2023】中家徹 全国農業協同組合中央会 代表理事会長2023年1月1日
![中家徹(なかや・とおる)氏](https://www.jacom.or.jp/noukyo/images/nous200617_2.jpg)
中家 徹
全国農業協同組合中央会代表理事会長
新年にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症により影響を受けられている皆様、また、全国各地で発生した自然災害などにより被害に遭われた全ての皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興をご祈念いたします。
今、私たちの「食」と「農」を取り巻く環境が、大きな転換点を迎えています。未だ収束が見通せないロシアによるウクライナ侵攻、円安の影響、さらには、世界規模での自然災害頻発や人口増加などにより、わが国の食と農のリスクは増大し、顕在化しています。
生活に身近な食品の値上げは2万品目を超え、肥料・飼料・燃料など食料生産に欠かすことのできない資材価格は過去最高水準まで高騰し、「食」を支える「農」の生産現場はかつてない危機的な状況に直面しています。安い農畜産物や生産資材が安定して買える時代ではなくなり、食料安全保障への関心が高まっています。そこで、食料生産を支えるわが国の農業を将来にわたって持続的可能なものにしていくためにも、消費者・国民の皆様に「食」や「農」に対する理解を真に、深めていただくことが重要であると考えています。
そのようななか昨年より、政府における、「食料・農業・農村基本法」の見直しに向けた議論が本格化しました。基本法制定から20年以上が経過し、めぐる環境が激変するなか、我々の命の源となる「食」と、それを生み出す「農」を持続可能なものにするには、国内生産の増大を基本とした食料安全保障の強化をはじめ、万全な食料・農業・農村政策の確立が必要です。
これらを踏まえ、JAグループでは、「『国』民が必要として『消』費する食料は、できるだけその『国』で生『産』する」という「国消国産」の考えを提唱し、情報発信に取り組んでいます。昨年は、10月16日の「国消国産の日」に合わせ、10月を「国消国産月間」と位置づけ、JAグループ各組織が一体となって「国消国産」の意義等に関する情報発信や、国産農畜産物を手に取っていただくきっかけづくりとなる取り組みをすすめてまいりました。
JAグループは今後も、消費者の皆様に、農業・農村を「支えたい」、「応援したい」と思っていただけるよう、そして、将来にわたって消費者の皆様への食料の安定供給を目指し、あらゆる役割を発揮してまいります。
JAグループは、どのような環境変化があろうとも、それぞれの事業活動を通じ、組合員・地域住民の期待にこたえ、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、「なくてはならない」存在であり続けるため、持続可能な食と地域づくりに貢献してまいります。
本年も引き続き、JAグループならびに本会の事業運営にご理解とご協力を賜りますようお願いするとともに、皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
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