最優秀賞に徳島・JAあわ市の土井哲さん 第7回JA営農指導実践全国大会2023年2月17日
JA全中は2月16日、第7回JA営農指導実践全国大会を東京都内で開いた。全国8地区から代表として推薦された8人のJA営農指導員が事例を発表。審査の結果、最優秀賞には徳島県JAあわ市営農指導課の土井哲さんが選ばれた。
3年ぶりの実会場開催で約120人が参加、オンライン中継では約180人が視聴した。
JA全中の中家徹会長は「地域の次世代の担い手は自ら確保、育成する取り組みは持続可能な農業実現する一丁目一番地の取り組み。その中心がJAの営農指導事業だ」と述べ、産地で日々の農業生産を支え次世代農業者の育成に最前線で活躍する営農指導員は「大変重要な役割。地域の組合員との結びつきを力に、成果を上げることが期待されている」と激励した。
最優秀賞に選ばれたJAあわ市経済部営農指導課の土井哲さんは「JA合併による部会統一~部会を牽引する強いJAを目指して」と題して発表した。
JAあわ市は2021年4月に発足。合併を機に土井さんは「西日本随一の夏秋ナス産地」を目標に、部会の統一に取り組む。受け渡し方法も旧JA単位でばらばらだった苗の供給や、出荷資材、肥料の統一に取り組み、最終的に部会統一を達成する。実現までには生産者に部会統一のメリットなど根気強い説明を繰り返した。
資材の統一でコストダウンを実現し、新部会の生産量は県内の約6割を占め市場からの信頼も向上した。土井さんは「営農指導はJAの根幹。われわれが屋台骨であるという強い気持ちで取り組んでいきたい」と力を込めた。
JAあわ市経済部営農指導課の土井哲さん
審査員特別賞には和歌山県のJA紀州みなべ営農販売センター廣澤健仁さんが選ばれた。「日本一の梅産地であり続けるために~生産者の声に応える新たな取り組み」と題した発表で、新たな所得向上をめざし梅の剪定枝を正月の飾りつけや生け花用に調整・選別した「ズバイ」の出荷への取り組みを報告した。台風被害で参加する農家が減るなか、出荷作業や資材を工夫し、生産者の信頼を得て「捨ててしまうものを所得向上につながる」取り組みを定着させた。この取り組みによって梅栽培管理技術もレベルアップした。「地域全体に笑顔があふれるよう営農指導にまい進していきたい」と話した。
JA紀州みなべ営農販売センター廣澤健仁さん
優秀賞は以下の通り。
〇JAつがる弘前(青森県)弘前北支店営農係 長内隆さん「りんご一大産地の将来を担う請負剪定隊の結成~産地存続の戦い~」
〇JA東京あおば(東京都)地域振興部 岡野静香さん「農業体験で都市農業の未来をつくる~地域住民を都市農業のファンに変える」
〇JA福光(富山県)営農部営農指導課 湯浅健さん「にんじんとの出会い~Next Innovation~」
〇JA鈴鹿(三重県)営農部営農指導課 谷口昌志さん「ジャストインタイムの取組~所得が向上する計画生産・計画販売~」
〇JA鳥取西部(鳥取県)弓浜営農センター 橋田佳明さん「伯州美人復活プロジェクト」
〇JAおきなわ(沖縄県)南部地区営農振興センター農産部野菜果実指導課 三宅菜々さん「糸満産パッションフルーツ産地化の取り組み~PLVフリー苗の導入及び栽培技術の改善による産地の活性化~」
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