世界的な気候変動による病害虫リスクに対応 鹿児島に「植物病院」開設へ 東大と連携2023年2月27日
JA鹿児島県経済連は2月22日、今年4月に鹿児島市に「植物病院」を設置することを明らかにした。植物病院の設置はJAグループではJAあいち経済連に次いで全国2か所目。世界的な気候変動で新たな病害虫リスクへの対応が求められる中、東京大学植物病院と連携して農家を迅速にサポートする。
植物病院の開設についての発表会(2月22日、東京大学)
4月に開設されるのは、「東京大学植物病院連携JA鹿児島県経済連植物病院」。鹿児島市の県経済連食品総合研究所内に設置する。鹿児島県には病害虫・雑草の専門家である植物医師が1人おり、スタッフとともに4月から週2日程度、常駐して対応に当たる予定。
JA鹿児島県経済連によると、鹿児島県では2018年にサツマイモの腐敗などの症状が広がったことを受けて東大植物病院に株を送って相談したところ、サツマイモ基腐病であることが判明、対策づくりなどで協力した経緯がきっかけとなったという、
世界的な気候変動で農作物への病害虫の侵入リスクが高まり、サツマイモ基腐病をはじめ鹿児島県では新たな病害虫の発生で対応に苦慮する状況が生まれており、迅速に対応できる新たな拠点をつくることになった。
植物病院では、JAなどを通して農家の相談を受けつけ、植物の病害虫の外観診断や病原の遺伝子診断などに取り組む。JA鹿児島県経済連は「植物病院間の連携を生かし、安全安心な農作物の生産や生産者の所得向上に寄与したい」としている。
現在、植物病院は全国に5か所あり鹿児島県で6か所目。JAグループとしては、JAあいち経済連に次いで2か所目となる。
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