地域とともに歩む日本農業のトップランナーを表彰 第52回日本農業賞2023年3月6日
NHKとJA全中、都道府県中央会は3月4日、NHKホールで第52回日本農業賞表彰式を行った。
表彰式は4年ぶりに実開催となり、大賞と特別賞受賞者があわせて11組表彰された。
JA全中の中家徹会長は生産資材価格が高騰し厳しい環境にあるなか、日本農業賞受賞者は「仲間とともに知恵を出し合い新たな道を開いてきた。とくに若い世代につなごうという意識の高さがみられ、継承が円滑に行われることでさらに地域社会が発展する」と評価。日本農業のトップランナーといえる受賞者だが「地域とともに歩み、消費者ニーズを的確に捉えた農業であり、JAグループが発信する国消国産を大きく前進させるもの」と今後に期待を寄せた。
来賓としてあいさつした野村哲郎農相は輸入食料や生産資材の高騰などで「農業はターニングポイントを迎えている。国内で生産できるものはできるだけ国内で生産していくことが大事になっている」と話し、受賞者に対して「現場の最前線でリーダーとして牽引する大きな力となることを期待している」と述べた。
受賞者を代表し茨城県のJAやさと有機栽培部会の岩瀬直孝部会長があいさつ。部会設立から25年、JA、行政、生協、市場関係者との協力で有機の里として発展し、「これからもより多くの消費者に供給できるよう産地の拡大に取り組み、持続可能な社会の形成に貢献していきたい」と述べた。
<個別経営の部>
【大賞】
〇有限会社エヌ・オー・エー(髙橋良、宮城県登米市)
米・麦・大豆等123haと繁殖黒毛和牛124頭を飼育する複合経営で循環型農業を実践。(JAみやぎ登米)
〇服部農園有限会社(服部忠・服部都史子、愛知県大口町)
名古屋市近郊で「10年後、100年後、この町にこの景色を残したい」をスローガンに稲作経営。(JA愛知北)
〇ライスフィールド有限会社(吉岡雅裕、島根県松江市)
最新鋭の大型機械を導入して経営面積238ha、作業受託460haという大規模水田経営を実現。(JAしまね)
【特別賞】
〇刈部博之(神奈川県横浜市)
都市の立地を生かした家族型経営で100品目の野菜と10品目の果樹を栽培。直売所を運営。(JA横浜)
<集団組織の部>
【大賞】
〇JAやさと有機野菜部会(茨城県石岡市)
国の有機農業推進策が進められる前から先駆的に取り組み、有機農業をめざす就農者のサポートも手厚く実践。
〇JA愛知みなみスイートピー出荷連合(愛知県田原市)
スイートピーの大きな花径、スラっとした草姿、花もちのよさは産地一丸で品質向上に努めてきた成果。
〇せとだエコレモングループ(広島県尾道市)
全国有数のレモン産地である瀬戸田で特別栽培農産物「せとだエコレモン」を栽培する156名の部会。(JA三原)
【特別賞】
〇JAとぴあ浜松玉葱部会(静岡県浜松市)
1月出荷という全国に先駆けての新玉葱「はるたま」の産地。一時、耕作地が5分の1まで減ったが、農地を再生・集積し着実に回復してきた。
<食の架け橋の部>
【大賞】
〇馬路村農業協同組合(高知県馬路村)
「ポン酢しょうゆ ゆずの村」の大ヒットから全国に名が知られて40年。「ゆず」という1つの作物で市場を切り拓いている。
【特別賞】
〇合同会社ねっか(福島県只見町)
米どころとしての景観を守り、冬の雇用と地域の特産品を生み出すべく6年前に米焼酎づくりを始めた。「酒」の特性を生かした食育活動にも取り組む。
〇株式会社日向屋(和歌山田辺市)
人口1500人の地域でみかんや梅の加工を行う日向屋を中心に若い人たちが連携し獣害対策や急傾斜地の耕作放棄地の活用に取り組んでいる。
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