大阪の農地守るスーパー玄米「WE米」発売へ JA北大阪2023年3月9日
農地の少ない都市地域で農業振興と農家所得を向上させようとJA北大阪は、地元の大学と共同で食後の血糖値上昇を穏やかにするなどの機能を持つ米を開発・栽培、もち麦とブレンドした機能性表示食品「農協のスーパーすぎるごはん」を昨年10月に発売した。今後は、この機能性米の単体商品としての発売も予定している。
JA北大阪管内で栽培されている「WE米」
スーパー玄米「WE米」はJA北大阪と大阪公立学が連携し2018年からJA管内の組合員農家の協力で試験栽培を始めた。
食後の血糖値上昇を穏やかにする難消化性デンプンをうるち玄米に比べて約50倍含むほか、中性脂肪や悪玉コレステロールを低減させる効果があるγ-オリザノールを約2倍含むという。突然変異で誕生したこの米を健康づくりに役立つ農産物として大阪府立大学が20年近く前から研究していた。
JAはJA自己改革の取り組みの一つとして都市農業の振興と農家組合員の所得向上をめざし商品化に向け栽培法などを研究、うるち米と作り方は変わらないことを確認し安定した収量が得られることが分った。
2022年産では約2.5haで栽培。営農組合と個人農家4人で「WE米」を約10tを生産した。
昨年10月に発売した「農協のスーパーすぎるごはん」は「WE米」と農研機構が開発したもち性大麦「フクミファイバー」ともち黒米をブレンドした商品。フクミファイバーは大麦由来のβ-グルカン(水溶性食物繊維)が通常のもち性大麦の約2倍含まれており、これも食後の血糖値上昇を穏やかにする。
機能性表示食品として28gで製品化。白米に混ぜて炊く。24袋セットで3193円。JA北大阪各店舗とJAタウンで販売している。
管内の農地は10a前後の水田が点在し転作も難しいなか、JA北大阪は「大阪府産」の米として農地を維持し農家所得の向上につなげたいと、現在、「WE米」を単体で機能性表示食品として発売する準備を進めている。
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