JA全中が食料安保強化へ特別決議 中家会長「価格転嫁の仕組みづくりへJAグループも積極提案」2023年3月10日
JA全中は3月9日、臨時総会を開き、食料安全保障の強化に向けた特別決議を採択した。中家徹会長は総会後の記者会見で、「生産資材が高騰する中、農畜産物への適正な価格転嫁は大きな課題だ。制度的な仕組みづくりに向けてJAグループとしても積極的に政策提案したい」と述べ、農水省の検討状況も見ながら価格転嫁の仕組みづくりに意欲を示した。
記者会見するJA全中の中家徹会長
特別決議では、世界的な気候変動やロシアのウクライナ侵攻などで生産資材価格が高止まりする一方、コスト増加分の国産農畜産物価格への転嫁が進まず、生産現場で危機的な状況が続いていると指摘している。
そのうえで政府が「食料安全保障強化政策大綱」を策定したことを踏まえて、食料・農業・農村基本法の見直しをはじめ、生産資材高騰対策や食料安保対策予算の確保など、食料安保強化に向けた基本政策の確立を求めていくなどとしている。
さらに食の農に対する国民理解の醸成と国産農畜産物の適正な価格形成の実現に向けて、「国消国産」をキーメッセージに、消費者の理解や行動変容を促す取り組みを強力に展開することを盛り込んだ。
中家会長は会見で、特に肥料や飼料などの高騰によるコスト増が価格転嫁されない状況について、「大きな課題であり、基本法見直しの中でも重要な視点だ。再生産に配慮された適正な価格転嫁がなされるよう制度的な仕組みづくりを求めたい」と強調し、政府に要望していく姿勢を示した。
この課題をめぐっては野村哲郎農相が、フランスで施行された、コストから価格を形成するエガリム法などを参考に検討を進めていることを国会などで答弁している。
こうした動きも踏まえて中家会長は「エガリム法は1つの参考になると思う。政府でも具体的な検討をすると思うが、JAグループとしてもどんな方法がいいのか検討し、提案していきたい」と述べ、コスト増が価格に転嫁される制度づくりへの意欲を示した。
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