香港で鶏卵加工施設稼働 JA全農2023年3月22日
JA全農は香港に鶏卵加工施設を設立し3月から本格製造を始めた。
全農は2022年5月に鶏卵加工販売会社「全農国際香港食品公司」を設立した。今月から本格製造を開始し、卵焼き、煮卵、う巻、温泉卵などを製造し、現地の量販店、回転寿司チェーン、レストランなどに販売する。肉、米、青果物などとセットでの提案を予定している。
畜産物ではほかに、台湾向けに生クリーム、フィリピン向けに脱脂粉乳やホエイを輸出しており22年度取扱いは10億円となる見込み。
牛肉はロイン系の高級部位を中心に輸出していたが、ロイン系以外の部位も含めフルセットで購入してくれる顧客を開拓し輸出拡大に取り組んでいる。
今後は産地食肉センターの機能強化など輸出コンソーシアムとの連携による産地振興、ローストビーフなど国内で加工した製品の販売拡大などに力を入れる。畜産物の輸出額は2021年度の75億円を24年度に109億円とする目標を掲げている。
パックご飯 輸出拡大へ
米は2021年度の28億円を24年度に34億円に拡大することをめざす。香港では現地企業に炊飯設備を設置し、弁当用と学校給食用の米の供給拡大に取り組んでいる。
また、パックご飯の輸出拡大に向け、JA全農ラドファは2023年に新工場を稼働する予定。年間生産能力は現在の5倍の2000万食に拡大する。各産地の銘柄米使用をうたった商品の販売も予定している。
米国では日系スーパーを中心に販売が拡大しているという。一方でハラル市場が中東や東南アジアで拡大していることから全農ラドファはハラル認証を取得、昨年11月にはサウジアラビアでの展示会でマーケット調査を実施し、それに基づき容量や味、パッケージなど商品開発に取り組んでいる。
今後は顧客との商談を通じて現地ニーズ(食味、価格、ブランド力)を確認し産地に生産提案も行う。
鮮度維持し青果輸出
青果物は2021年度の62億円を24年度に96億円に拡大することをめざす。長野県に合弁で設立した産地貯蔵機能を持つプラットフォームセンター(PFC)を活用し、鮮度を保持したまま海外へ輸送する。近隣県からの数量確保と品揃え強化により物流費を削減し、産地振興を図る。
収穫時期と食べ頃に合わせた甘藷の産地リレーに取り組んでおり、徳島、鹿児島、宮崎、茨城、石川に加えて新たに宮城県を追加した。現地で良品を選別し訴求力のあるパッケージに小分けして販売している。
今後は台湾向けいちご(宮城県)やタイ向けメロン(静岡県)など、輸出先国の検疫条件をクリアできるような産地づくりに取り組む。また、国内外の加工食品メーカーとの国産農畜産物を原料とした商品開発や、輸出先国の規格に合わせて飲料開発も行う。
JAの表彰制度も検討
全農グループの輸出実績は2021年度で172億円で前年比130%。2022年度は207億円を見込む。
23年度は全中と連携し、農産物輸出についてJAの取り組み意向や課題などを意向調査を行う。また意欲あるJAへの顧客ニーズ情報に基づく生産提案などで支援するほか、全農による輸出産地づくりに取り組むJAの表彰制度も検討する。
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