元気なファーマーズマーケットへ JAタウンを活用した直売所間取引システム JA全農2023年3月27日
JA全農は産地の新鮮な農畜産物を消費者に届けるJAタウンの機能を活用して、全国のJA直売所同士で農産品を取引できるシステムを開発した。地元で生産できない商品を仕入れたり、閑散期の品揃えを充実させたりなど、JAグループのネットワークで直売所運営を支援する仕組みでもある。簡単な手続きで登録できJAタウンの特設ページから購入できる。
JA農産物直売所は全国で約2200店、売り上げ高は年間3000億円を超える。ただ、地産地消を基本に運営しているため、直売所によっては▽閑散期の売り場の空洞化、▽品揃えの偏りなどの課題を抱えている。
こうした問題を解決するため直売所間の連携も行われているが、一方で直売所のなかには他の直売所と取引をしたいが、接点や取引手段もないという課題を抱えていることから、全中・全農ではJAタウンを活用した「直売所間取引システム」の検討を昨年始めた。
このシステムでは余剰商品がある出荷者(産地直売所)が売り上げ拡大のために販売したい品目を登録。登録した購入者(消費地直売所)がJAタウンの専用ページから求める商品を購入する。
昨年10月から12月までモデルJA・直売所での試行を行い不具合がないかなど確認、4月からは希望する直売所が利用できるようになっている。
登録方法は直売所名義でJAタウン会員登録したうえで、請求書の発行に必要なヤマト運輸の「クロネコ掛け払い登録」も行う。
現在も直売所間での取引は行われているが、担当者が電話やファックスなどで受発注し、さらに商品発送と代金決済まで時間と労力を費やすことを余儀なくされている。このシステムを活用すれば労務面の省力化にも役立つ。
実際に利用した直売所からは「店舗の規模に合った数量で注文できるので在庫リスクが少ない」、「ファックスや電話でのやり取りがないのが便利」、「さまざまな産地から購入してもすべて1枚の請求書で支払うことができる」などの声が寄せられている。
そのほか週末のイベント用の目玉商品として仕入れた商品が好評で、その後、レギュラー商品として発注したという例や、商品だけでなく店舗での宣伝用ポップも合わせて送られてくるなど「直売所どうしで販売や運営ノウハウを伝えるツールにもなっている」(JA全農フードマーケット事業部)という。
購入側は求める商品だけではなく、産地や特定の直売所から探すなど、さまざまなアプローチができるのもシステムの特徴だ。JA全農では「BtoCのJAタウンをJAグループのBtoBへ応用したシステム。直売所の充実に活用を」と話している。
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