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子実トウモロコシ 時間当たり収支が大豆の2倍 JA古川・JA全農が実証2023年3月28日

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2022年産から子実トウモロコシの大規模実証試験に取り組んでいる宮城県のJA古川とJA全農はこのほど22年産の実証結果を明らかにした。目標収量が確保できれば、作業時間当たりの収支では大豆の約2倍の所得となることが示された。23年産では実証試験の面積を増やすとともに、トウモロコシの後作として植える大豆の収量なども実証し輪作の有効性も示す。

子実トウモロコシ 時間当たり収支が大豆の2倍 JA古川・JA全農が実証

は種密度の確保が課題

2022年度はJA古川管内の31経営体が91.5ha、223筆のほ場で子実トウモロコシを作付けた。

作型は水稲と大豆の作業時期と重ならないよう「田植え前」(4月中下旬は種、7月下旬開花、9月中下旬収穫)と「田植え後」(5月中下旬は種、8月中下旬開花、10月中下旬収穫)の2つの作型で実証した。

田植え前の4月20日には種したほ場では、7月11日に出穂した。その1か月前の草丈は50センチほどだったが、出穂期にはメートルを超えた。

その間にJA古川管内では7月4日に最大瞬間風速25メートルの強風が襲い、また、16日には観測史上最大雨量となった風雨に見舞われ、一部では倒伏、ほ場の冠水もあった。

4月には種したほ場では生育が進んでいたため被害は少なかったが、5月は種のほ場では風水害被害を受け、結果的に被害面積は76%となった。そのため10a当たり平均収量は330㎏となった。出荷数量は302tで北日本くみあい飼料で配合飼料に使用される。

一方、被害がなかったほ場では同513㎏となり、最高で同739㎏を収穫したほ場もあり、増収に向けた対策が求められる。重要なのはは種だ。

トウモロコシはイネのように分げつしないため、通常は1株から雌穂1本を収穫する。そのため種子をしっかりは種することが重要で、当初10a7000粒を目標としたが、実証の結果、苗立ち率が9割未満のほ場も多く、は種量が不十分だったことも考えられた。アサガオ類の雑草の繁茂も多くのほ場で見られたが、これもは種密度が少なく日光がほ場に差し込んだことが要因。

そのため23年度の実証試験では10а当たり7500粒のは種量を目標とする。土壌が柔らかいほ場では鎮圧を行い種子と密着させることで出芽率を高める。

害虫対策 農薬適用拡大見込み

また、収量減にはアワノメイガの被害も影響した。7月上旬以降、葉から茎、雌穂へと徐々に拡大し最終的にはすべてのほ場で被害が確認された。
アワノメイガによる被害は収量減だけでなく、子実がかび毒で汚染されるという問題がある。実際、生産物を分析したところいずれもかび毒が検出された。アワノメイガの幼虫内にかび毒を生成する菌が存在しており、幼虫の糞を通じて子実にまん延するという。また、カラスによる鳥害もあり、その食害痕から赤かび病が感染、かび毒産生の一因となっていると考えられた。

今後の対策としては、排水対策を徹底し湿度を下げること、アワノメイガが発生しやすい7月から8月を避けた早播きや遅播きへ作期の移動、被害子実を除去することなどが求められている。ただし、アワノメイガについては殺虫剤の飼料用トウモロコシへの適用拡大が近く実現する見込みで、登録されれば23年産からドローンで散布する予定で収量増と品質確保が期待される。

22年度は風水害による被害を受けたが、最高収量は10a当たり739㎏で収量は期待できることが示された。

経済性についての検証では販売金額と交付金(水田活用の直接支払交付金)を含めて同700㎏を確保できれば10a当たりの収支は2万2687円となった。一方、大豆は地域の平均単収(同181㎏)で試算すると同4万3652円で大豆を下回った。

しかし、作業時間は大豆が10a当たり7時間なのに対して、子実トウモロコシは同1.78時間だった。これに基づき1時間当たりの収支で比較すると大豆の6236円に対して子実トウモロコシは10a当たり収量が330㎏でも6290円で同水準となり、収量が700㎏を確保できれば1万2746円と大豆の2倍近い所得となった。

子実トウモロコシの表.jpg

地域では高齢化などで担い手への農地集積が今後も加速するとみられる一方、少ない労力で耕作することが求められることから「時間当たりの収支が農業経営にとって鍵」(JA全農)となる。その点で子実トウモロコシに期待される。

同時に今回の実証試験は大豆との輪作体系の構築も目的だ。23年度はJA古川管内で102haの子実トウモロコシの実証試験を行うとともに、22年度で子実トウモロコシを作付けたほ場での大豆の後作も検証する。

トウモロコシの根による深耕効果と茎や葉など残渣のすき込み、さらに子実トウモロコシ栽培のために投入したたい肥などで土壌が改良されており、大豆の収量増が期待される。

JA全農はJA古川とともに、施肥設計見直しやは種精度向上、体系的な防除など、生産者に指導し実証試験を進める。「現場の課題解決策を提示していきたい」とJA全農は話している。

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