農業担当欧州委員が中家全中会長と意見交換 「農村などの生活環境改善へ情報交換を」2023年7月4日
訪日中の欧州委員会のヤヌシュ・ヴォイチェホフスキ農業担当委員が7月3日、JA全中を訪れ、中家徹会長と意見交換した。この中で委員は、日本の農業の成功の秘訣の1つが農協などの組織化だと評価し、「農村や地方の生活環境改善に向けて今後も情報交換したい」などと交流を呼びかけた。
JA全中の中家会長とヴォイチェホフスキ農業担当欧州委員による意見交換
ヴォイチェホフスキ農業担当委員は、欧州の農産物・食品のプロモーションをのために来日し、3日午後、東京・大手町のJAビルを訪れ、中家会長と約1時間にわたって意見交換した。
中家会長は冒頭、「委員はJA制度をはじめ高齢化や耕作放棄地など地方の農政課題や農業の持続可能性など幅広い分野に関心があるとうかがっており、欧州と日本双方が抱える課題についても議論したいと思います」とあいさつした。
これに対してヴォイチェホフスキ委員は、はじめにロシアのウクライナ侵略で食料安全保障システムに大きな影響が出ていることに懸念を示したうえで、日本の農業について、「日本は1人当たりの農地面積がEUの10分の1しかないにもかかわらず、生産性が高く近代化が進んでいます。その成功の秘訣の1つが組織化、特に農協の存在と理解しています」などとJAの活動を評価した。
そのうえでEUが農村など地方への支援額を30年間で10倍に増やすなど力を入れていることを紹介し、「日本のみなさまとも情報交換し、経験を共有したいと考えています。双方で農村や地方の暮らし、生活環境の改善に取り組むことが重要です」などと話し、今後も情報交換などをしたいとの意向を示した。
また、意見交換では、中家会長が日本の農業について、「生産基盤の弱体化に加えて農地も減少して危機的な状況にあり、適正な価格転嫁の仕組みづくりを議論しています」と述べてEUの対応を尋ねたのに対し、ヴォイチェホフスキ委員は「2019年に不公平な取引を制限する取り決めなどを設けて対応しています」と説明するなど、共通の課題となっている農業者の高齢化や農村活性化をめぐって意見が交わされた。
野村農相とも会談 輸入規制の早期撤廃要請
また、ヴォイチェホフスキ委員はこれに先だって同日午前、農水省を訪れ、野村農相と会談した。この中で野村農相は日本とEUの強固な関係についてさらなる発展を期待すると述べるとともに、EUの日本産食品の放射性物質輸入規制の早期撤廃に向けて協力を要請した。
重要な記事
最新の記事
-
備蓄米 可能な限り早期に供給 JA全農2025年3月17日
-
備蓄米放出でも消えぬ不足感(上) 農水省「消えた米」説に3つの疑問 実は元からなかった?2025年3月17日
-
園芸用殺虫剤「フィールドマスト フロアブル」販売開始 JA全農2025年3月17日
-
産地を応援「メイトー×ニッポンエール フルーツソルベ瀬戸内広島レモン」発売 JA全農2025年3月17日
-
カーリング女子日本代表チームを「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年3月17日
-
選りすぐりのさせぼ温習みかんで果汁100%ジュース コクと甘み、余すところなく JAながさき西海2025年3月17日
-
雪のような白さと深い味わい 自慢のにんにく使った2品 JA十和田おいらせ2025年3月17日
-
香ばしい薫りと広がる梨の甘み 伝統の梨が職人の技でみるくまんじゅうに JAセレサ川崎2025年3月17日
-
【人事異動】JA共済連(4月1日付)2025年3月17日
-
JA共済連 全国本部組織機構を改編2025年3月17日
-
円建劣後ローンによる調達を実施 JA共済連2025年3月17日
-
親子で学ぶ通学路の交通安全 「てぃ先生」とコラボの啓発動画を公開 JA共済連2025年3月17日
-
JA帯広かわにし「十勝川西長いもとろろ」など宇宙日本食5品目がISSに搭載2025年3月17日
-
【今川直人・農協の核心】農産物需給見通しが示す農協の方向(1)2025年3月17日
-
短時間の冠水で出芽率が低下 ダイズ種子の特徴を明らかに 農研機構2025年3月17日
-
甘い味がする新規の香気成分を発見 甘さを感じる仕組みを解明 農研機構2025年3月17日
-
林業用安全装備品の購入費用助成 2025年度を募集 農林中金2025年3月17日
-
「上を向いて、笑おう。御堂筋天国~旬のたよりマルシェ~」開催 農林中金、三井不動産、御堂筋まちづくりネットワーク2025年3月17日
-
投資家向け農業事業「ノーサ」新プラン「しいたけ栽培オーナー」募集開始 クールコネクト2025年3月17日
-
大分県に初のコメリパワー「三重店」29日に新規開店2025年3月17日