協同の力 結集で確かな成果 中家全中会長が退任会見2023年7月21日
JA全中の中家会長は7月20日、東京・大手町のJAビルで定例記者会見に臨んだ。8月18日の全中総会で退任するため、この日は最後の会見となった。会長は自己改革の取り組みなどを踏まえて「この6年間、協同組合として組合員や組織が結集することが何よりも大切であることを改めて実感した」と語り、今後もJAグループが農業と地域にとってなくてはならない組織であるため不断の自己改革などの取り組みを期待した。
中家会長
2017年に第15代全中会長に就任して以来、コロナ禍で開催が見送られた時期もあったが、この日で68回目の会見となった。
中家会長は「農協運動に半世紀にわたって携わってきた集大成として、この6年間は粉骨砕身、全中の事業と組織運営にあたってきた。あいつぐ自然災害に加え新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻など未曾有の混乱が続いたが、農業とJAの未来を拓くべく、組合員やJAなどの会員組織と協同の力の結集により確かな歩みを進めてこられたと思っている」と述べた。
その象徴がJA自己改革だと強調し、全組合員調査など対話を重視し組合員の声をふまえた自己改革への徹底した取り組みで全国各地のJAで着実な成果を挙げていると指摘した。
また、任期中に政府の改革集中推進期間が終了し、「准組合員の事業利用規制の検討などについては、自己改革の実践サイクルの構築と、その実践に取り組んでいく、という結論を得られたことが成果ではないか」と、自主・自立の組織として組合員自らが運営を決めていく方向を政策としても位置づけられたと評価した。
「国消国産」も任期中に提唱した。「国民が必要とし消費する食料はできるだけその国で生産するというJAグループのキーメッセージとして発信してきた。礎はできたのではないか」と述べ、基本法の見直しが検討されているなか、「国内生産の増大を基本にした万全な政策の確立と再生産に配慮された適正な価格形成の実現が必要だ」と指摘した。
とくに適正な価格が実現できなかった場合の経営所得安定対策の実現は「これから重要ではないか」と述べるとともに食料安保の強化実現など「本気度を示すのは予算」だとして退任までの間も政府与党に積極的に働きかけるとした。
次期全中会長に内定している鹿児島県中央会の山野会長については「職員時代から叩き上げで現場実態を十分理解してもらっている。われわれの大きな使命はどう農業やJAグループを元気にするか。未来を拓いていただきたい」と期待した。
一時体調が優れず業務にあたれない時期もあったといい、「家族や職場のみなさんに大変な支えをいただいた。改めて助け合いの素晴らしさを実感した」と明かし、「助け合いの組織である協同組合と命を育む食、食を生み出す農業は、未来永劫、不滅であり絶対不可欠なものと確信している。JAグループはこれからも農業と地域にとってなくてはならない組織であり続けていく」と語った。
重要な記事
最新の記事
-
路線バスを使おう【消費者の目・花ちゃん】2025年1月11日
-
シンとんぼ(124) -改正食料・農業・農村基本法(10)-2025年1月11日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (41) 【防除学習帖】第280回2025年1月11日
-
農薬の正しい使い方(14)【今さら聞けない営農情報】第280回2025年1月11日
-
R・ケネディ・ジュニア氏が米国農務省長官顧問に指名された意味(2) 国際ジャーナリスト 堤未果氏2025年1月10日
-
鳥インフル 愛知県で続発22、23、24例目2025年1月10日
-
農地面積 1.1万ha減 目標面積下回る 2023年2025年1月10日
-
米価の見通し「高くなる」判断 過去最高値の「76」 米穀機構2025年1月10日
-
今年の一文字は「進」 山野JA全中会長2025年1月10日
-
(417)100年の流れ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月10日
-
JA貯金残高 108兆6262億円 11月末 農林中金2025年1月10日
-
鳥インフル 米イリノイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月10日
-
高校生が和牛飼育の取り組み競う「第8回和牛甲子園」16日から開催 JA全農2025年1月10日
-
愛知県産バラで新年を祝う「新春 バラ花束25%OFFキャンペーン」開催中 JAタウン2025年1月10日
-
「博多あまおう」5%OFF「あけおめ!あまおめ!新春セール」開催 JAタウン2025年1月10日
-
本日10日は「魚の日」福島県常磐沖産ひらめ漬け丼など特別価格で販売 JAタウン2025年1月10日
-
濃厚な甘さと豊かな香り「岐阜県産いちご『濃姫』フェア」12日から開催 JA全農2025年1月10日
-
焼き芋やスイーツを堪能「三島甘藷祭り」JA直売所などで開催 JAふじ伊豆2025年1月10日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施中 JA全農2025年1月10日
-
ホスピス在宅「ビーズの家」運営のbeadsへ出資 農林中金キャピタル2025年1月10日