米粉を学校給食に 給食の教諭・職員らが料理研修会2023年8月1日
米粉の利用を広げ、米の消費拡大はまず学校給食からと、学校給食に関わる教諭や職員向けの料理研修会が各地で開かれている。JA全中なども後援し、7月24日には岐阜県、29日には千葉県で栄養教諭・学校栄養職員が参加し、プロの和食料理人から、米粉と県産食材を使った料理を学んだ。8月29日には東京と足立区で開かれる。
米粉を使った料理を実習する学校の栄養職員たち(千葉市で)
研修会は学校給食で利用が増えている米粉や地元農産物に対する生産者の想いを伝える講演や米粉の歴史・特性、和食料理人による米粉の扱い方やレシピの提案などを行っている。県の栄養士会、JA全中、日本米粉協会が呼びかけ、和食給食応援団が運営する。
千葉市で開かれた研修会では学校給食に関わる小中学校の教諭や職員が参加し、東京・新宿で日本料理店「鈴なり」のシェフを務める村田明彦氏が調理指導。レシピは主菜に鮭とダイコンの旨煮、副菜にサトイモとナスの豆腐ずんだ和え、それにサトイモ団子とキノコののっぺい汁を作った。
村田氏は、揚げ物や煮物をつくるとき、水分の吸収力が大きいことや玉になりにくいことなど、米粉が片栗粉や小麦来粉とは異なる特性を実演で示した。また生産者を代表して同県匝瑳市で24haを経営する米作農家の金杉勝城さん(53)は、低米価と生産コストの高騰による厳しい経営の現状を説明し、「早植えを避けて水管理を徹底し、根張りをよくして丈夫な稲を育てている。農薬使用は最低限に抑え、安全でおいしい米づくりに努めている。米粉を使ったおいしい料理で米の消費を増やしてほしい」と米の消費を呼びかけた。
主催した千葉県栄養士会学校栄養健康教育事業部企画運営委員会の小林千恵子委員長は「学校給食で幅広く使えることが分かった。千葉県産の秋の食事を使い、学校給食に生かしていきたい」と話した。
なお、和食給食応援団とは、和食文化の継承に意欲を持つ和食料理人と大手食品メーカーなどでつくった団体で、和食料理人が全国の小中学校を訪問し、学校栄養職員と連携した食育授業、給食の調理・提供を行う。
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