事業間連携で担い手支援を強化 第9回JA営農・経済フォーラム2023年9月13日
JA全中は9月12日・13日、横浜市内で第9回JA営農・経済フォーラムを開いた。テーマは「事業間連携による総合事業力の発揮と担い手支援の強化」。JAの取り組み事例が報告され、パネルディスカッションやグループ討議で地域を支える担い手経営体を中心とした支援、組合員とのコミュニケーション強化の必要性など現場での実践課題を確認した。
13日午前に行われたパネルディスカッション
フォーラムでは3JAの取り組みが報告された。
JA秋田しんせいの佐藤茂良組合長は「事業間連携を進め農家の所得増大に挑む」と題して同JAの農業経営支援室を中心とした担い手支援の取り組みを報告した。
農業経営支援室は、高度化する担い手の悩みに対し的確なソリューションを提案していくため専務(現在は組合長)直轄の部署として2021年に設置した。重点訪問先を選定し訪問活動で課題を吸い上げ、それをキャッチボールシートに落とし込み信用、経済など各部門と共有、解決先の提示を行っている。
佐藤組合長は、技術や資金、労働力など担い手の農業経営で不足しているものをJAが補うことで農家所得につなげるこの取り組みを「地域経済の発展とJAの総合事業の継続につながる。成長性追求が大切だ」など述べた。
JAいがふるさと(三重県)の加藤裕司常務は「農家所得向上に向けたJAの取り組み」と題し、同JAの出向く営農渉外活動を報告した。
4つの営農センターに担い手などに出向く担当者2名配置。「地域農業振興計画」で掲げた産地振興に向けて栽培品目の提案などを行うとともに、担い手金融リーダーと同行訪問するなかで資金ニーズや経営相談に応じるなど活動の幅を広げてきた。
次世代の担い手確保策としてJA子会社による新規就農の受け入れも検討している。加藤常務は「現場の感覚を大事に対話しニーズに応えていくことが大事」と話した。
JAにじ(福岡県)の右田英訓組合長は「事業間連携による担い手対応の強化」と題して専任TACの活動を報告した。
同JAは2019年に営農部に担い手支援課を新設した。それまでの兼任から専任TAC制として3名を配置。数値目標は設けず、若手農業者を中心に経営課題やJAへの要望を聞くことに徹している。
一方、担い手の声をJAに反映させるため組合長以下、役員と各部署の部課長が出席する月1回の担い手支援合同会議を開催、担い手支援課が会議で担い手の要望やJAとして必要な対応などを提起し、事業間連携で課題解決に当たっている。
右田組合長は「合同会議の設置で日頃から事業間連携ができる状況が生まれた。担い手とJAとの信頼関係づくりが大事」と話した。
(近日 第9回JA営農・経済フォーラム特集を掲載します)
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