優勝2店舗に見られる農家組合員の満足度の高い店づくり JA資材店舗CS甲子園20232023年10月23日
JA全農主催の「JA資材店舗CS甲子園2023」で優勝に輝いたJAしまね西いわみ地区本部・益田グリーンセンター(大型陳列部門)とJAあまるめ・JAあまるめ資材館(簡易陳列部門)の実店舗には、農家組合員目線からの顧客満足度の高い店づくりへの工夫が随所に見られる。
全国で126JA503店舗が参加した「JA資材店舗CS甲子園」は、「農家組合員の満足度の高い店づくり」「JAらしさを意識した店舗のコーディネイト」「JA重点品目の早期陳列・販売の徹底」を目的に実施している(表彰大会の結果は既報)。
大会運営を行ったJA全農耕種資材部によれば、この大会を通じて目的の達成のほか、新たな取り組みの成果として、メイン商品に関連する商品を並べて陳列する「関連陳列」の実施が客単価アップと実績拡大につながっていること、SNSを活用した情報発信が店頭集客にも奏功していることなどが報告された。
【大型陳列部門優勝】JAしまね西いわみ地区本部・益田グリーンセンター
少量多品目化と効果的なPOPで肥料コーナーを差別化
大型陳列部門で優勝したJAしまね西いわみ地区本部・益田グリーンセンターの店頭ディスプレイ
大型陳列部門で優勝店舗に輝いたJAしまね西いわみ地区本部・益田グリーンセンターの村上悟志店長は、「(コンビニのような)少量多品目化をめざし、様々な商品、品揃えの充実を図り、店舗イメージの改善を図るため、様々なPOPを作成し、お客様の目に付きやすく、お得なイメージを持ってもらえるように工夫した」と語る。
スピーチする村上悟志店長
また、①大型ボードでのPOPによる視覚訴求、②POPにストーリー性を入れ、③ご注文カード(商品カード)の導入――など、資材の中でコーナー化しづらい肥料コーナーの差別化に挑戦した。
無料の簡易土壌診断と施肥処方せんの徹底で再来店を促進
POPで果菜、葉菜、根菜に分けた園芸おすすめ肥料の掲示で分かりやすく訴求しているほか、無料の土壌診断と施肥処方せんの周知にも取り組んでいる。店舗に土を持ち込めばその場で簡易土壌診断を行い、pHとECの数値化を最短10分で行え、データに基づいて施肥の提案を行えるというもの。「石灰はどれぐらい、堆肥はどれぐらい」と話が弾み、再来店を促せるという。
売場についても、土づくり→基肥→追肥と一連の流れの組み合わせという形で表示させ、同時に作目種類ごとの肥料の「おすすめ組み合わせ」を提案することで、「ついで買い」を促し、買い上げ点数アップにつながった。
【簡易陳列部門優勝】JAあまるめ・JAあまるめ資材館
ファーストインパクトと親しみやすさ、SNSでアピール
簡易陳列部門で優勝したJAあまるめ・JAあまるめ資材館の店頭ディスプレイ
簡易陳列部門で優勝店舗に選ばれたJAあまるめ資材館は、ドアを開けた瞬間、すぐ目にとまる派手なPOPを作成する「ファーストインパクト」、地元(山形)の方言を取り入れたQ&A形式で商品説明する「親しみやすいJAらしさ」、SNSで店舗の情報を定期的に発信し、キャンペーンや実演会などのイベントを企画する「売り場の外でもアピール」の3つをポイントに注力した。
営農販売部生産資材係の小野寺由佳さんと同部生産指導係の高橋美南さんが成果報告をスピーチした。「2020年から毎年エントリーして、目で見る楽しい売り場、商品を手に取りやすい売り場、更には職員の接客対応レベルの向上など様々なことを意識してきた。互いにアイデアを出し合い、ピックアップ商品についての知識を深め、結果的に今回の優勝という達成感を得るとともに職員のモチベーションアップにもつながった」と小野寺さんは振り返った。
ひとり一人への手厚い対応ができるJAらしさを強みに
店舗づくりで心がけた点であるファーストインパクトの実践では、商品陳列を店の入り口付近に設置した。「『ラウンドアップマックスロード2Lドラム缶』の実物を天井から吊して立体的な展示で目に訴え、さらに広告動画を流して耳に訴えた」と高橋さん。さらにJAらしさの一つは親しみやすさにあることから、「似だよだ除草剤えっぺあんども何違うなや?」(似たような除草剤はいっぱいあるけれど何が違うのですか?)と山形県庄内町の方言で、質問をし、オリジナルのキャラクターがそれに応えるQ&A形式の商品説明を行ったのが好評だった。
スピーチする営農販売部生産指導係高橋美南さん(左)と同部生産資材係の小野寺由佳さん
さらに50人の参加者を募った散布実演会を行ったところ、実演会後の薬剤問い合わせや注文が増えた。「散布技術の紹介が目的だったが、結果として販売増加につながる結果になった」と笑顔で語り、様々な工夫から二人とも売り場活性化の手応えを掴んだようだった。
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