再生リンで安価なエコ肥料「e・green」シリーズの普及拡大へ、年間5万袋の出荷好調 JA全農ふくれん2023年10月30日
JA全農ふくれんでは、昨年9月に供給を開始した再生リンで安価なエコ肥料「e・green」シリーズ10種類の出荷が好調だという。県内JAを通じて1袋20kgで販売し、一般の肥料よりも2割程度安価なのが魅力だという。
福岡市では、博多湾の環境保全のために同市の下水道処理センターで下水の高度処理を行っており、その過程で回収しているリンを「再生リン」として肥料原料に利用している。製品化された「e・green」シリーズの「8・8・8」「7・7・7」「14・5・5」は、いずれも粒状タイプで栽培する作物に応じて堆肥(牛ふん・豚ふん・鶏ふん)の種類や窒素などの割合が異なる。
肥料に使用する再生リンは、下水道処理センターで年間80tまで調達することが可能であり、県内肥料メーカーの大日本産肥で委託製造している。5%含有の肥料の場合、8万袋分を製造することができる。昨年9月の出荷開始から年間1000t(5万袋)の実績となっている。
こうした出荷好調の要因について、JA全農ふくれん農機資材部生産資材課の青柳紗弥香さんは「e・greenは、肥料コストを低減するだけでなく、県内で生まれた再生リンを県内農地に還元し、できた野菜を県内で消費する循環モデルに共感する農家・生産者が利用しているから」と語る。
「福岡市も見学施設を受け入れることで、再生リンの安全性や、環境負荷軽減に役立つことをPRしている効果は大きい」「(農業サイドでも)原料を海外からの輸入に依存する肥料を国内原料で製造することでリスクヘッジする意義は大きい」と付け加えた。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日