23年度の給付還元財源を確保 計画上回る上期実績 JA全国共済会2023年11月15日
JA全国共済会は11月9日の理事会で2023年度上期仮決算(9月末)を承認した。計画を上回った実績で今年度の給付還元財源を確保した。
JAの事業利益に相当する「評価損益等調整前当期経常増減額」は前年度同期比3.9億円減の▲4.0億円となった。
社債投資の強化で債券利息が増加したものの、年金保険配当金が大幅に減少したことが影響した。
ただし、計画では▲16.8億円としていることから計画比では+12.8億円となった。
JAの当期剰余金(運用試算の評価損益等を加味)に相当する「当期一般正味財産増減額」は、証券投資信託の評価益が内外株式市場が堅調に推移したことで増加し、同12.2億円増の1.1億円となった。この結果、9月末時点の正味財産は504.7億円となった。
計画では▲31.8億円としており、+32.9億円の実績となった。いずれも計画を上回って推移しており、今年度の給付還元財源を確保している。
また、「満期保有目的債券」の評価損は同51.4億円増加し▲82.2億円と拡大したが、これは市場金利の上昇によるもので信用劣化により評価損が拡大した銘柄はないという。
23年度の「制度」拡大目標口数は160万口で9月末時点で116万口の実績となっている。また、総合JAの「管理設計(個人ごとの退職金要支給額に見合った「制度」掛金額を算出するための試算)」の利用率は目標90%に対して74.4%に達しており、いずれも目標達成をめざして取り組んでいる。
JA全国共済会の総資産額は4908億円でJAの退職給付債務額の約49%に相当する。
JAの加入率は94.9%。新規加入者数は4053人(前年同期4714人)、掛金収入132億円(同137億円)、退職者数5099人(同5210人)、退職給付金支給額173億円(同186億円)となっている。
資金運用は国内円建債を中心にクーポン収入を主体とした資産構成となっており、保有債券の格付けはA格以上比率を90%以上維持している。
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