若手の離職・採用難が深刻 「就業観が変化 働き易い職場を」 JA経営・人づくり研究会2024年2月5日
JAの役員や人事担当者などで作るJA経営・人づくり研究会は2月2日、東京都内で研究会を開き、人材確保・育成への対応について事例報告とディスカッションを行った。JAでも離職・採用難が顕著になっており、特に雇用情勢の変化と若手世代の意識・就業観の変化にJAはどう対応すべきかについて議論を深めた。
JAの人材確保についてディスカッション
かつてJAは町村役場に並び、農村における安定した就職先として人気だった。だが今日、様相が変わった。人口の減少と高齢化が進んで人手不足が深刻になり、JAも若手職員の採用難に直面している。終身雇用は過去の遺物となり、「いまどき」の若者の就業観・人生観は大きく変わった。
研究会では、JAの3人の若手職員がヒアリング調査などをもとに若手職員の就業間・人生観を報告。JAぎふ鷺山支店(渉外担当)の森川裕大さん(27)は、「終身雇用の時代ではない。転職は当たり前で、転職によってキャリアアップを図る若者が増えている」と指摘する。
全国連の入組から20代後半までの職員の聞き取りを行った日本農業新聞の羽賀旭さんも、「終身雇用は古い価値観だ」と言い切る。その上で「一層のやりがいと所得アップを目指して転職するのはいいことだと考える若者が増えている」と言う。
そこで問題になるのはJAでの仕事の「やりがい」や「働き易さ」。入組3年目のJA横浜の神谷早紀さん(25)は、やりがいとして「信用・共済事業を通じて組合員の生活に寄り添い、サービスを提供することで組合員・利用者に感謝されること」を挙げる。また「働き易さ」では自宅から短時間で通えることを挙げており、地元志向の強さがうかがえる。
では、転職したくなるJAの「悪い点」は何か、JAや仕事の内容によって異なるが、働きづらいと感じるのは「平日、夜遅くまで拘束されるので、プライベートの時間がとりにくい」「事業目標の種類が多すぎる」などが多い。全国連では「農家のために働いている感じがない」「組織が大きすぎて身動きがとれない」「上司の考え方が古く、残業やライフワークバランスに対して疎い」などがあった。
職員を採用する側では、滋賀県のJAグリーン近江の徳永有治常務は、通年採用(キャリア採用)を提案した。多様な人材が確保できるとともに、職場の活性化、有為な人材の掘り起こしができるなどのメリットを挙げる。JA全中教育部・海沼正雄特別研究員もJAグループ経験者の登用が「即戦力にもなり、役職員も成長する」と話した。
このほか、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が、今日の採用・就職戦線にについて報告し、インターンシップの活用、奨学金返済支援、大学寄付講座の活用、シニア層のパート採用など、人材確保のための要点を挙げた。
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