農畜産物輸出 224億円 5年で倍増 JA全農2024年2月7日
JA全農は2月6日に開かれた自民党の輸出対策促進委員会でのヒアリングで全農グループの輸出への取り組み状況や課題などを報告した。
全農は輸出促進を図るため2017年4月に輸出対策部を設置、同年度の輸出実績は112億円だったが、2022年度実績は224億円となった。5年で倍増した。
輸出先は香港・マカオが30%、台湾が27%、北米が13%などとなっている。
日本の輸出額全体のうち、全農グループ実績は米(全農グループ:28億円)で35%、青果物(同:89億円)で18%、畜産物(同:97億円)で11%を占める(2022年度実績)。3品目計では14%を占める。
米の輸出拡大には、輸出先国での地元スーパーのやEC市場の開拓、外食事業者向けの販売拡大を進めているほか、国内では海外産との価格差を埋める多収米栽培による低コスト生産を産地に提案する一方、海外で日本のブランド米を求める消費者もいることからマーケットインに基づく作付け提案、複数年契約による需要確保にも取り組んでいる。
また、産地で精米し最寄り港から輸出するという生産・保管・製品製造・輸出まで産地で完結する輸出体制づくりも行っている。具体的には石狩港、仙台港、酒田港など地方港の活用を進めている。
畜産物の輸出拡大に向けて和牛輸出では、高級部位のロイン系以外の部位も含め、フルセットで和牛を購入してくれる顧客の開拓に取り組む。
課題は賞味期限で国産牛肉の賞味期限は45~60日が多いが、豪州産牛肉は100日を越えていることから、系統食肉センターでは賞味期限延長の取り組みを支援している。
そのほか、日本産鶏卵の付加価値販売を目的に香港に鶏卵加工会社を設立し、2023年からたまご焼きや温泉卵などの加工品の製造販売を行っている。
青果物では、農水省とJAグループが連携し、海外のニーズや規制に対応した輸出産地づくりの支援を始めている。
全国535JAに対して意向調査を実施した結果、102JAから輸出意向が示された。各県域で「輸出産地づくり会議」の開催などで支援に取り組んでいる。また、1月17日には農林水産大臣とJAグループ全国連トップを構成員とする「輸出関係連絡協議会」を設置、輸出に意欲のあるJAへの支援に向けて定期的に意見交換することとしている。
全農は2024年度の輸出目標額を251億円としている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日