最優秀賞にJAわかやまの楫本智司さん 第8回JA営農指導実践全国大会2024年2月19日
JA全中は2月16日、第8回JA営農指導実践全国大会を東京都内で開いた。大会には全国8地区から代表として推薦されたJAの営農指導員8人が事例を発表、審査の結果、最優秀賞にJAわかやま南部営農センターの楫本智司さんが選ばれた。
第8回JA営農指導実践全国大会の発表者のみなさん(前列)と審査員
大会は、とくに優れた産地振興や技術普及等に取り組んだ営農指導業務を担当する職員を表彰し、その取り組みを広く紹介し共有することによって各JAでの営農指導員のレベル向上とネットワークを構築することを目的に開いている。
大会には会場参加170人のほか、オンライン中継で150人が視聴した。
JA全中の山野徹会長は基本法の改正や地域での世代交代など農業、農政は「大きな転換期を迎えている」と指摘、その状況のなかでJAグループは次世代総点検運動で次の担い手の育成に取り組んでおり、「その最前線でがんばっているのが営農指導。創意工夫ある取り組みを全国各地に期待したい」と激励した。
最優秀賞に選ばれたJAわかやま南部営農センターの楫本智司さんは「わかやま布引だいこんを日本一の産地へ! 産地お持続的発展に向けて」と題して発表した。
JAわかやま南部営農センター 楫本智司さん
「布引だいこん」は昭和60年代後半から形が良くみずみずしいなどの特徴からブランドとして確立されたが、生産組織が4団体あるなど組織体制が未整備なことや、温暖化や連作障害によって品質が低下し、他産地との単価差も縮小するなどブランド力の低下が課題となってきた。
こうした課題を解決するため、4団体をまとめる大根生産販売協議会を設立して情報共有を図ったほか、試作試験の繰り返すことによる優良品種の導入の仕組みづくりや病害防除体系の確立、さらに新鮮さを全面に出すため「葉付きだいこん」として販売するなど取り組みを行った。
また、7年かけて地理的表示(GI)登録を取得、大根で初、和歌山県産農産物初のGI登録を実現した。平成30年からの5年間で産地全体で8700万円、36%の販売額増となった。楫本さんは「ダイコンといえばわかやま布引だいこん。日本一から世界一の産地をめざす」と話した。
審査員特別賞に選ばれた長崎県のJA壱岐市営農部農産園芸課の松嶋新さんの「めざそう! アスパラ主導で離島農業日本一へ~小さな島の大きな挑戦」。
JA壱岐市営農部農産園芸課 松嶋新さん
アスパラによる所得向上をめざし全栽培農家へのの栽培状況調査に基づく経営診断書の作成や、施肥基準の改善、AI自動潅水の導入などのほか、市場と契約するバリューチェーンの取り組み強化などを実践した。
その結果、収量が4年間で約4割向上し、市場販売単価より高い単価での取引と労働時間の軽減、さらに新規就農者の獲得などにつながった。松嶋さんは「若者が希望を持ち、豊かな生活を営むことができる離島農業をアスパラ主導でめざす」と決意を語った。
優秀賞は以下の通り。
◯JAいしのまき(宮城県)営農部営農企画課 木村清太さん「青年部とさつまいもが起こしたキセキ」
◯JA安房(千葉県)丸山支店 澤卓功さん「農家が儲かる! レモン産地化への支援~農家や関係機関とともに邁進~」
◯JA松任(石川県)営農部園芸振興課 中村瑞穂さん「白ねぎ出荷調整ネットワークの構築-拠点分散手法による産地形成-」
◯JAとぴあ浜松(静岡県)東・中央営農センター 阿久津浩樹さん「新規作物『葉ニラ』の経営モデル確立」
◯JAしまね出雲地区営農部畜産課 渡部優太さん「しまね和牛復活! ~日本一の和牛産地を目指して」
◯JA高知県安芸営農経済センター営農指導課 山影学さん「日本一のユズ産地を支える取り組み」
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