【第65回全国家の光大会】(2)最優秀賞はJAしべちゃ・岩本博美さん(記事活用)、JA グリーン近江・福田真由美さん(普及文化)2024年2月28日
(一社)家の光協会は2月14日、横浜市のパシフィコ横浜の国立大ホールで第65回全国家の光大会を開いた。全国からJAの役職員や女性部員、愛読者など約2000人が参加。大会のメインとなる体験発表の「記事活用の部」で最優秀の志村源太郎記念賞に北海道JAしべちゃの岩本博美さん、「普及・文化活動の部」の最優秀である全国農業協同組合中央会会長賞に滋賀県JAグリーン近江の福田真由美さんが、それぞれ選ばれた。最優秀の岩本さんと福田さんの発表内容の要旨は次の通り。
【記事活用の部】
輝け!はばたけ!農業女子岩本博美さん
JAしべちゃ・岩本博美さん
『家の光』を読んで、共通の課題をみんなで学ぶことの大切さを知りました。酪農家に生まれ、大阪出身の男性と結婚しましたが、大自然の中で子どもたちを育てたいと思い、出産を機にUターン就農しました。夫も酪農のことは素人で、最初は苦労しましたが、女性部の仲間と『家の光』に助けられました。
農業士、指導農業士に認定されたり、JA女性部や酪農女性の集いなどに参加し、充実した活動ができましたが、忙しいなかでも、農業女性が輝くためになにかできることはないかと考え、女性組織のなかに「まなぼっくす」という勉強部会を立ち上げました。元々、経営には関心があり、同じくパソコンを使って農業経営に役立てたいと考えている仲間がいたことから、「まなぼっくす」メンバー4人で活動を始めました。その後JAの広報誌で参加者を募り、メンバーは15人まで増えました。うち3人が女性部に加わりました。
『家の光』2022年11月号の特集記事に、「ありのままでいいのよ。いまこのときしかない自分が輝くことがだいじなの」という言葉があり、自信をつけました。「まなぼっくす」では仔牛の販売価格管理や、ワクチン管理などに挑戦し、農業簿記検定の受検に向け、仲間とともに勉強しています。
女性部からパソコン指導を頼まれ、『家の光』2022年1月号の別冊付録「スマホ便利ブック」を参考にしました。「まなぼっくす」活動の成果が出ており、夫婦で参加する仲間もあり、私も学ぶ意欲が高まり、食育インストラクターの資格も取得しました。
自信がつき、次の構想として牛の分べん・受精のアプリを開発し、データを蓄積して経営改善につなげたいと思っています。女性部加入促進にも取り組み、母と共同経営の喫茶「あおそらの小家」の運営、みそ造りなど地域と農を結ぶ活動を広げていきます。「共通の課題をみんなで学び、協同の力で解決していく」という言葉を胸に、まず自分自身が輝くよう努めていきます。
【普及・文化活動の部】
活動の先にある笑顔のために 福田真由美さん
JAグリーン近江は、役職員として採るべき行動や考え方を表したものである「いつもこころにGreen Way」を合言葉に、役職員が一体となって教育文化活動に取り組んでいます。『家の光』活用の第一は職員による記事活用グループの結成です。そのとっかかりとして新入職員と女性部がともに参加する『家の光』を参考にした料理教室を開きました。最初緊張していた新入職員も、料理ができるとすっかり打ち解けました。グループ活動の一環でオクラを栽培し、オクラカレーを作ったり、管内の農事組合法人でそば打ち体験をしたりする支店が生まれました。
ある支店では、朝礼で共済の渉外担当職員が、『家の光』で「怒る」をテーマにした記事を紹介したところ、いつの間にかファシリテーションが始まり、記事活用を通じて職員主体の良い朝礼になったと報告を受けたこともありました。
二つめが普及強化運動です。運動を支店表彰制度のポイント対象とし、全支店を巡回して普及する目的や『家の光』への思いを伝えました。営農センターや支店の職員とともに普及推進を行い、JA全体では1222部増部し、普及率は17%を達成しました。普及強化運動を通じて、潜在的な読者が多くいることが分かりました。そして、普及実績と成果をイントラネットで役職員に共有しています。
そして三つめが『ちゃぐりん』を活用した取り組みです。2007年から管内全小学校33校へ『ちゃぐりん』を寄贈しており、今年度は夏休みの課題として「第46回『ちゃぐりん』読書感想文」を募集したところ、400を超える作品が集まり、その中から最優秀賞を受賞する作品もありました。
それとは別に当JAでも独自の感想文コンクールを開いており、農業の応援になる優れた作品には「キテレツ賞」を贈呈しています。子どもたちにも農業振興の一役を担ってもらいたいとの思いです。『家の光』や『ちゃぐりん』をただお届けするだけでなく、開いて読んで、活用してもらうためのきっかけづくりにしていきたいと思います。
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