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農業、農村の将来へ国民的議論と「協同」を語り合う 新春の集い 農協協会2024年3月5日

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(一社)農協協会と農協研究会は2月28日、東京都内で新春特別講演会と新春祝賀パーティを開いた。4年ぶりの開催でJAグループ関係者など約150人が参加し盛会となった。

新春特別講演会は「地球と人類の危機を乗り越えて踏み出せ! 持続可能な社会へ」をテーマに元外務省欧亜局長の東郷和彦氏と三重大学の立花義裕教授、日本労働者協同組合連合会の古村伸宏理事長が講演した(講演内容は別掲)。

農協協会 村上光雄会長農協協会 村上光雄会長

講演会後に開かれたパーティでは農協協会の村上光雄会長があいさつ。国会に上程された改正基本法案について「現状は価格転嫁もできず農業は厳しい。農村の将来が危惧される。ヨーロッパ並みの直接支払い制度の導入は当然。堂々と自信を持って要求していくべき」と述べるとともに、今年10月の第30回のJA全国大会に向けて「農協協会としてもみなさんと議論を展開していきたい」となどと話した。

農協研究会 谷口信和会長農協研究会 谷口信和会長

農協研究会の谷口信和会長は「日本社会に欠けているのは危機意識。改正基本法も国民的議論が盛り上がっていないなかで実現できるのか。生産者よりも消費者のほうが問題とすることが大事だが、与党が粛々と改正案を決めた印象だ。危機意識が著しく乏しいのではないか」と指摘し、「今後は徹底した議論で少しでも修正していくべき」などとあいさつした。

JA全農 安田忠孝代表理事専務JA全農 安田忠孝代表理事専務

来賓のあいさつでJA全農の安田忠孝代表理事専務は当日まで開かれていた地区別総代会での声を紹介、環境問題への対応や農畜産物の適正価格をどう実現するかなど課題が指摘されたが「どの課題にも解決する奇手妙手はないが、全農がんばれという意見もいただき組織の力を感じた。一つひとつ小さなことに一緒に取り組んでいくしかなく、この世界をもっと良くするということにがんばりたい」とあいさつした。

農林中央金庫の北林太郎常務執行役員農林中央金庫 北林太郎常務執行役員

農林中央金庫の北林太郎常務執行役員は「今年は第30回JA全国大会も予定され節目の年。一方、資材価格の高騰や戦争、気候変動などで農業者がいちばん影響を受けている。この困難をいかに乗り越えていくか、叡智を結集する時だ。農林中金、JAバンクも関係のみなさんと連携し農業・農村の持続可能性を高めていくため取り組んでんいきたい」と述べた。

日本労働者協同組合連合会の古村伸宏理事長日本労働者協同組合連合会 古村伸宏理事長

日本労働者協同組合連合会の古村伸宏理事長は特別講演会で報告した労働者協同組合について「試行錯誤しながら手作りで育ていかなければならない働き方であり協同組合。一緒に取り組みが始められればと思っている」と参加者に呼びかけた。

元JA全農副会長 萬代宣雄氏元JA全農副会長 萬代宣雄氏

鏡開きのあと、元JA全農副会長の萬代宣雄氏は「安心して食べられる農家、後継者が黙っていても後を継いでくれる農業、これをめざしていかなければならない。日本農業と食料が安心できる地域社会をつくることが重要だ」とあいさつして乾杯した。

参加者はお互いに喜びあい歓談

パーティは4年ぶりの開催で久しぶりに農業や農協をめぐって情報交換や議論ができることに参加者はお互いに喜びあい歓談した。

山田俊男参議院議員山田俊男参議院議員

そのなかで自由民主党の山田俊男参議院議員は「改めて農協、協同組織がどのように力をつけるか勉強をし徹底してがんばりましょう」と呼びかけた。

国民民主党代表 玉木雄一郎衆議院議員国民民主党代表 玉木雄一郎衆議院議員

また、国民民主党代表の玉木雄一郎衆議院議員は基本法改正の議論に触れ「いちばん欠けているのは過去の農政の検証。農協改革から10年経つが果たして良くなっているのか。農家の所得が増えたのかという検証がまったくない。農業者の所得をどうあげるのか。これをきちんとやれば後継者も生まれてくるし、農業の持続性は担保される」と指摘した。

日本共産党 紙智子参議院議員日本共産党 紙智子参議院議員

続いて日本共産党の紙智子参議院議員は「2050年までに日本の農業従事者は大幅に減ってしまう。米も300万tに減っていくと推計され、そのとき外国と途絶したらすぐに食べられない人が出てくる。食料自給率は基本だが、今回の基本法では食料自給率目標に指針という言葉が抜けてあいまい。それでいいのか。国民的な議論が必要だ」と述べた。

協同組合懇話会 今尾和実代表委員協同組合懇話会 今尾和実代表委員

協同組合懇話会の今尾和実代表委員は「2016年の農協法改正はICAの協同組合原則にまったく逆行する改正だった。来年2025年の国際協同組合年にオール協同組合で問題を提起していきたい」などと語った。

JA秋田中央会 小松忠彦会長JA秋田中央会 小松忠彦会長

JA秋田中央会の小松忠彦会長は「2024年は地球温暖化に挑戦しなければならないと思っている。カーボンニュートラルという点では、化石燃料で農業機械を動かしているということは無視できない。本当に大きな転換期にあって、環境保全ではなく環境再生農業というものにもチャレンジしなければならないのではないか」とあいさつした。

公益社団法人全国農業共済協会の高橋博会長公益社団法人全国農業共済協会 高橋博会長

鯉淵学園農業栄養専門学校 長谷川量平学園長鯉淵学園農業栄養専門学校 長谷川量平学園長

公益社団法人全国農業共済協会の高橋博会長は「年の始めの能登半島地震や昨年の異常気象の災害などへの農業保険から現場の農家の苦衷を実感している。基本法も改正される年であり、農業の再構築の年になること祈念したい」と述べ、鯉淵学園農業栄養専門学校の長谷川量平学園長は同学園について「JAグループで1500名の卒業生が活躍している」などと紹介した。

JA福島中央会の菅野孝志最高顧問JA福島中央会 菅野孝志最高顧問

恒例のアトラクションと参加者全員での「ふるさと」斉唱も行われた後、JA福島中央会の菅野孝志最高顧問が中締めのあいさつを行い、同日の講演会について「命の問題にどう向き合うのかがテーマだったと思う。戦争は人の命を何と考えているのかという問題だが、そういうなかで気候変動の問題は、戦争をしている場合ではない、ということだった。ふるさとを残していくことはこれからの命を育んでいくうえで大切なことだ」と話し、来年の参加も呼びかけた。

参加者には全国のJAなどの協力を得た農産物、食品などが福引品として全員に贈られた。

来賓と主催者で行われた鏡開き来賓と主催者で行われた鏡開き

(関連記事)

危機乗り越え 持続可能な社会へ 新春特別講演会と集いを開催 農協協会

★「2024年 新春の集い」の福引にご協力いただきありがとうございました。
(景品をご提供いただいた協力JAおよび協力団体は下記の通りです。五十音順)

<協力JA>
JAあいち中央「へきなん美人PREMIUM100」

JA愛知東「天狗の森のおいしいとまと」

JA会津よつば「米粉入りもっちり 喜多方ラーメン3食入り」

JAあきた白神「白神山うど」

JA秋田しんせい「土づくり実証米 米粉入り稲庭うどん」

JA秋田なまはげ「JA秋田なまはげ限定 酒蔵めぐり頒布会 日本酒」

JAあしょろ「足寄町産ラワンぶき ふきのとう焼酎『春告げの蕾』」

JAあづみ「大根ぬか漬け」

NPO法人JAあづみくらしの助け合いネットワーク"あんしん"「みそ加工品 ねぎ味噌、食用ヒマワリ油」

JAいしのまき「五目おこわパックごはん」

JAいちかわ「『粒盛』 純米吟醸、大吟醸」

JAいわて平泉「リンゴジュース、とまとジュース」

JA馬路村「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」「ぽん酢しょうゆ 1000人の村」「ゆずかつおぽん酢 のーがえい」セット

JAえびの市「えびの産ひのひかりプレミアム」

JAえひめ中央「愛媛県産高級密柑せとか」

JAえひめ南「甘平」

JA大潟村「パンプキンパイ 大潟村特産『くり大将』かぼちゃを100%使用」

JAおきなわ「ヒラミン シークヮーサー粉末加工品」

JA帯広かわにし「十勝川西長いも」

JA鹿児島きもつき「辺塚だいだいジュース『かくれ果の雫』、本格焼酎『きもつき浪漫』」

JA加美よつば「トマトと玉ねぎのソース、バッハオニオンカレー、とまとケチャップ ギフトセット」

JA菊池「水田ごぼうかりんとう、からいもかりんとう、湧雅(ゆうが)のここち 煎茶、手延水田ごぼうめん」

JA紀南「至福の玉手箱 まろの梅」

JA京都やましろ「宇治茶」

JAグリーン近江「滋賀県産みおしずく苺グミ、滋賀県産近江米みずかがみ玄米茶、すっきり鮮やか味の昼ドレッシング かけて~な!、日野菜ふりかけ、滋賀県産近江米 きらみずき」

JA高知県安芸営農経済センター「高知県産土佐よさこいポンカン」

JAこばやし「きんかん「たまたまエクセレント」

JAさが「佐賀県産精米『さがびより』」

JAさがえ西村山「啓翁桜(けいおうざくら)・大吟醸セット」

JAしまね出雲地区本部「多伎いちじくギフトセット」

JA新いわて「りんごジュース」

JA新みやぎ「金のいぶき(玄米)」

JA水郷つくば「土浦れんこんカレー、パックご飯『つくばのかおり』」

JAセレサ川崎「香がらしろっぷ かわさき生まれの栄養満点 燃焼系やさい『香辛子』」

JAちば東葛「米麺セット(米麺、小松菜米麺、比内地鶏スープ)、千倉みかん」

JAつがるにしきた「世界遺産白神山地の麓で育った ふかうら人参ジュース」

JA東京むさし「キウイワイン 三鷹産キウイ使用」

JA十和田おいらせ「プレミアムにんにくパウダー、にんにく魂(ドリンク)のセット」

JA中野市「信州中野産きのこセット」

JAにじ「博多あまおう」

JAはだの「落花生の詰め合わせ(塩南京・バタピー・さや豆)、落花生の煮豆の詰め合わせ」

JAひがしうわ「宇和茶詰め合わせ」

JAひろしま三次地域本部「こだわり四季セット(ゆずぽん酢しょうゆ、しょうゆドレッシングさっぱりゆず味、ゆずドリンク)」

JA福島さくら「ASAKAMAI 887(福島県郡山産特別栽培米コシヒカリ)」

JA古川「大崎の米『ささ結び』」

JA松本ハイランド「山辺ワイナリー 日本ワイン ナイアガラ甘口2023」

JA松山市「ごご島いよかん」

JAみっかび「青島みかんジュース」

JA水戸「ジャムギフト(うめ、いちごセット)」

JAみどり「フリーズドライの味噌汁詰合せ」

JAみやぎ登米「みやとめさんくっきー 焼き菓子 登米市産環境保全米『ひとめぼれ』米粉使用」

JAやまがた「『小笹うるい』『啓翁桜スリーブ』」

<協力全国連・県連・県本部>

全国農業協同組合連合会「ニッポンエール グミ、バウムクーヘン詰合せ」

農林中央金庫「よりぞうくんグッズ(ランドリーネット、ポケッタブルエコバッグ)」

JA全農いばらき「華麗なる逸品(ビーフカレー・ポークカレー)」

十勝畜産農業協同組合「幕別町産長芋」

<協力メーカー>
有限会社ココ・ファーム・ワイナリー「スパークリングワイン「NOVOドゥミセック」」

シンジェンタ ジャパン株式会社「ペチュニア」

株式会社三鷹ファーム「北野の杜ビール」

<協力団体・個人>
一般財団法人 蔵王酪農センター「蔵王チーズケーキ プレーン、ブルーベリーセット」

全国漁業協同組合連合会「浴用せっけん わかしお」

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