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現場のヒント 事業に生かす 令和6年度ミライ共創プロジェクトがスタート2024年8月27日

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フィールドワークとワークショップを通じて着想の幅を広げ、地域の人々に新しい価値を提案・提供できる経営人材を育成するJA全中主催の令和6(2024)年度ミライ共創プロジェクトの第1セッションが8月21~22日、東京・大手町のJAビルで行われた。全国のJAから11人が集まった。今後3回にわたってJA外の現場を訪ねて学び、来年4月には成果発表を予定している。

ミライ共創01.jpg

グループワークの成果発表を聞く参加者ら(8月22日、JAビル)

●外の世界にもなかまを
第1セッション初日は、全中教育部の田村政司部長による、ミライ共創プロジェクトの狙いと学び方の概説から始まった。「事業とは、困りごとの解決や願いの実現を通じた他者への価値の提供であり、『困りごとや願いの束』を見つけたい。価値提供を続けるにはコストのねん出が鍵になる」と説いた。学び方は、経営学の理論を学んで現場に適用するマスターコースとは逆で、現場に行って自ら要点を抽出しプランニングに生かしていく。田村部長は「JA外の世界にも仲間を作ろう」と呼びかけ「楽しくおいしいプロジェクトにしたい」と話した。

●オンリーワンのカテゴリー
自己紹介をはさんで、地域創生のトップランナーである(株)さとゆめの嶋田俊平社長が講演した。700人の村を「ひとつのホテル」にした小菅村の事例、JR青梅線での「沿線まるごとホテル」の事例を紹介しながら、伴走(支援)の三つのフェーズ(無償のNPOフェーズ→一過性の予算が付くコンサルフェーズ→持続的に売り上げと雇用を生む事業化フェーズ)、「カテゴリーを創出・独占できるコンセプトの立案」に始まる「地域での事業化の5つのポイント」を語った。「事業化の一番の敵は、自分の胸の中にある『こんなもん壁』。それを超えたら、(競合のいない)ブルーオーシャンに入れる」と嶋田社長は参加者を鼓舞した。

活発な質疑の後、一人ひとりが、「カテゴリーを創出・独占できる新規事業コンセプト」の立案に挑戦。「大地、海、景色を食べるキャンプ場」「消費者農家育成塾」などのアイデアが披露されると互いに拍手で称え、嶋田社長もアドバイスを惜しまなかった。

東京駅に移動し、エキナカ事業を展開するJR東日本クロスステーション・統括本部クロス戦略統括室の有賀慎吾課長の話を聞いた。

ミライ共創02.jpg

「こんなもん壁」を超えようと呼びかける(株)さとゆめの嶋田俊平社長(8月22日、JAビル)

●直売所のビジネスモデルは
2日目は3チームに分かれ、「ビジネスモデル・キャンバス」(BMC)という新規事業開発に役立つフレームワークを用いて、まず、JA農産物直売所のビジネスモデルをそれぞれがホワイトボードに描いて分析した。

次に、今後の経営環境変化を三つ予測し、変化に対応するためBMCをどう見直すか話し合った。「生産者(出荷)減」「人口減」「気候変動」が進むと予測し、それに対し顧客ターゲットを絞り込み直売所をインハウスに転換する「選択と集中」で対抗するプランなどが発表され、質疑が交わされた。

最後のラップアップ(まとめ)では、すっかり打ち解けた11人と事務局が輪になって座り、「嶋田社長の地を這う努力に感動した。自分にはそれが欠けていた」「家族を連れて小菅村に行ってみたい」「初めて会った人とチームで答えを出せた経験を持ち帰る」など、感想を出し合った。

10月23~24日に行われる第2セッションでは、静岡県やさいバスとジュニア・ビレッジでのフィールドワーク、新たな価値創造のワークショップの予定している。


ミライ共創03.jpg四苦八苦した「オンリーワンのカテゴリー」作りの成果発表(8月22日、JAビル)

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