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組合員参加で計画づくりを JA営農・経済フォーラム2024年9月12日

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JA全中は9月11日、東京都内で第10回JA営農・経済フォーラムを開いた。テーマは「次世代総点検運動をふまえた組合員参画型の地域農業振興計画等の策定・実践」。オンラインでも中継し会場と合わせて約200人が参加した。

第10回JA営農・経済フォーラムのパネルディスカッション

第10回JA営農・経済フォーラムのパネルディスカッション

JA全中の山野徹会長は「農家組合員が展望を持つには、組合員とJA役職員が話し合って、確信ある地域農業振興計画を策定することが求められている。とくに次世代組合員の確保に向けた取り組みや、農業所得増大に向けた施策の提案などをPDCAを回して着実に実践する必要がある」と呼びかけた。

フォーラムでは3JAが実践事例を報告した。

北海道のJAきたみらいの髙橋優常務は、組合員との対話をもとにした農業振興方策づくりの実践を紹介した。

同JAは「地域の農地は地域で守る」を前提に、集落単位で座談会を開き、地域で課題を共有して将来像を作成している。JAは出向く体制を強化して集落の話し合いなどをふれあい相談グループがサポートしている。

組合員アンケートや作物別の生産組織などとの協議をもとに、農業所得10%向上などを掲げた農業振興方策(第6次)を今年4月の総代会で承認した。振興方策ではJAの役割はもちろん、組合員の役割も明記して、収量や品質の向上など組合員の努力も目標達成には必要なことを組合員と共有している。髙橋常務は「振興計画はJAが作ったものではなく組合員が作ったものでなければ受け入れられない」と話した。

JAふくしま未来の西幸夫常務は「ど真ん中に食と農 次代につなぐ地域づくり」と題して報告した。

同JAは組合員参画に向けてJAの取り組みや成果を毎月動画を作成して配信しているほか、常勤役員が担い手と意見交換会を定期的に行っている。こうした日常的な組合員とのつながりをもとに、経験抱負なJA職員によるプロジェクトチームで地域農業振興計画を策定してきた。今年度が最終年度の地域農業振興計画では販売量と価格増大だけでなく、生産コスト削減にも力を入れた所得10%向上や、篤農家を受け入れ農家とし、のれん分けで新規就農者を確保する次世代確保対策も掲げている。これまでに31人が新規就農した。

来年度からの次期計画づくりには、1万1000戸の販売農家を対象にした農業経営意向アンケート調査を実施し5年後、10年後の産地づくりに向けた実態把握を行い、夢やユートピアを描くストーリー性のある計画づくりをめざす。

JA愛知東の河合司常務は「中山間地域の農業を守るためにわがJAが果たすべき役割は何か」と題して報告した。

同JAはこれまで行政とワンフロアーで設立した農業振興対策室や、商工会との連携など、地域を巻き込んだ農業振興計画づくりをめざしてきた。同時に組合員アンケートや、支店運営委員会や女性部組織など多様な声を聞く機会をつくり意見を反映させてきた。

そのなかで生まれた取り組みが新規就農者の確保だ。高齢化により生産部会員が減少するなか、部会から新規就農者を確保することが必要だとの声が上がり、それをもとにJAと行政など地域一丸となった支援が始まる。トマト生産部会では新規就農者のほうが多くを占めるなど過去10年間で100人を確保した。就農した場合の収支イメージを品目ごとにあらかじめ示し、面接に時間をかけて農地はもちろん住居の用意など行政と役割分担して「地域が責任をもって定着させる」取り組みが続いている。

こうしたなか今年度が次期計画の策定年度に当たり、JAでは若手職員をプロジェクトチームに選任して計画を策定する。職員も地域農業振興計画を「自分ごとにすることが大事」と話すとともに、「多くの人や機関を巻き込んでJAの計画ではなく地域の計画にしていく」ことが求められていると強調した。

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