食と農めぐり広がる協同 JAぎふ岩佐組合長講演 新世紀JA研究会2024年11月6日
新世紀JA研究会は10月31日、11月1日の両日、東京都内のJA東京アグリパークで秋季セミナーを開いた。講演したJAぎふの岩佐哲司組合長は、「『ために』から『ともに』に視点を変えたことで、協同活動の本質に近づけた」と語った。
講演するJAぎふの岩佐哲司代表理事組合長
講演テーマは「すべては組合員とともに ~食と農の協同活動~」。岐阜市など6市3町を管内とするJAぎふの概要にふれた後、生産コスト増、農産物の価格低迷、農家の減少によって農業の持続性が危機に直面しているとし、「生産者優先・ロット優先の産地化」を検証する視点を提示した。
危機を打開するため、JAぎふの第5次中期経営計画(2022~24年度)は、めざす姿に「活力ある農業と豊かな地域の実現」、基本目標に「不断の自己改革によるさらなる進化」を掲げた。
キーワードは二つ。キーワード1の協同活動では、これまでの「組合員のために」を「組合員とともに」に転換。全戸訪問や暮らしの相談受付簿で組合員の声を集約し、支店中心の課題解決に取り組んでいる。キーワード2の地消地産は「生産した物を売る」ことから「消費者が求める物を作る」に転換。消費者、生協などと「食と農の連携推進フォーラム」を結成し、消費者の声を聴く体制を整えた。機構も再編し、みどり戦略部を新設した。
2024年2月にはコープぎふと包括連携協定を交わし、総菜・弁当工場、インショップなどを計画。両協同組合の人的交流も検討しているという。管内の自治体のうち、1市の給食に有機米を入れた。
「農業の現状は、農業者だけでは解決が難しい。消費者や地域の声を聴き、一緒になって農業を守っていきたい」と岩佐組合長は締めくくった。
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