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農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日

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 「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
 農薬を正しく使用するためには、これら剤型の性格をきちんと把握しておく必要があります。なぜなら、剤型によって作物への付着具合が異なり、有効成分の作物への付着具合が農薬の効果に大きく影響するからです。現在、その剤型ごとにその特徴と正しい使用方法、使用上の注意事項を紹介しています。
前回から製剤をそのまま散布する製剤をご紹介しており、今回はその2つめの粒剤です。

3.粉粒剤・細粒剤・微粒剤(略記号:MG,FG )
この製剤は、粒剤(G)と同様に、有効成分と粘土鉱物質(キャリア)を混合して均一に練り込んで造粒したものや、粒状にしたキャリアや粒砂などに有効成分を付着させて造るものがあります。粒剤(G)が粒径0.3~1.7mm程度の粒状であるのに対し、微粒剤は63~212μm、細粒剤は180~710μm程度と桁違いに細かい粒子の製剤です。
粉粒剤は、土壌消毒剤など土壌全面に散布して混和する均一散布が必要な製品に採用されている製剤です。粉剤よりも粉立ちが無く、均一に散布できます。
細粒剤は、作付け前に畑地全面に均一に散布する畑地用除草剤に多く採用されています。
粉粒剤や細粒剤は、圃場のどこにいるかわからない病害虫雑草を防除するために、できるだけ均一に土壌全面に混和することで本来の効果を発揮する製剤ですので、使用の際には均一な散布と十分な混和を心がけて下さい。
微粒剤は、水稲の殺菌剤や殺虫剤で使用され、粉剤よりも粉立ちなく、ドリフトも極めて少なく散布できますが、飛んでいる微粒剤がほとんど見えないので、均一に散布する際には、専用のホースで一定速度で散布するなど工夫が必要です。
このように、それぞれの製剤が十分な効果を発揮するためには、その特性にあった処理方法を確実に実施する必要がありますので、事前に使用上の注意をよく読んで正しく使用して下さい。

4.ベイト剤(略記号:ベイト)
粒剤と同じ製法で、有効成分をキャリアに練り込んで製造したもので、粒剤よりもはるかに大きい粒状のものが多くあります。害虫やナメクジ、タニシなどを誘引し、食べさせることで死滅させることを目的に作られた製剤です。防除対象の性質に合わせた処理(設置)方法がありますので、製品の使用上の注意をよく読んで正しく使用して下さい。

(つづく)

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