「JA集出荷システム」と生産者向け栽培管理アプリ 「AGRIHUB」をシステムで連携 農業デジタルプラットフォームの構築目指す JA全農2024年11月25日
JA全農が推奨している「JA集出荷システム」(JFEエンジニアリングが開発・保守運用)が、栽培記録などを管理可能なスマートフォンとタブレット用の栽培管理アプリ「AGURIHUB」(アグリハブ)とのシステム連携を開始した。
JA集出荷システムとアグリハブの連携
JA集出荷システムはJAの青果物や花き集出荷を効率化するクラウドシステムで、出荷情報をデータ化して集出荷場の荷受けから出荷までの業務をシステムで一元化している。出荷情報のデータはハンディターミナルによるバーコードやマークシートの読み取りに加え、今年9月からはスマートフォン入力にも対応。JA現場業務の効率化に貢献している。
一方、Agrihub社が開発したアグリハブは生産者の視点で開発され、栽培履歴や農薬の管理を簡単で手軽に操作できるアプリケーションだ。
GAP(農業生産工程管理)などを導入している産地ではこれまで、手書きで記入した栽培履歴などをJAや直売所に提出していた。今回の連携により、アグリハブの農業日誌画面からJA集出荷システムへの青果物の出荷情報が入力できる。スマートフォンアプリのみで作業を完結でき、リアルタイムに生産者とJA間の情報共有が可能になる。
これにより、生産者の利便性が向上するとともに、JAでも紙ベースで確認していた出荷伝票と栽培履歴などを突き合わる業務をシステム上で確認できるようになり、作業時間が短縮が可能できる。
JA全農によれば、特に集出荷業務のデジタル化は大きな課題となっており「全国でおよそ500のJAのうち、JA集出荷システムを導入しているのは九つ程度。JA全農が推奨している他のシステムを加えても半分にも満たない」(石破崇寛園芸部園芸流通・システム課副審査役)としている。
集出荷の現場でも職員の高齢化が進んでおり、システム化により「熟練作業者ではなくとも作業ができ、作業にかかる労働時間の短縮といった負担の軽減のほか、JA職員は営農指導に注力できるようになる」と期待。今後もJA集出荷システムで青果物・花き集出荷業務のさらなる効率化に向けてバージョンアップを進める予定だ。
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