【TAC部門】優秀賞 一流の経営者に俺はなる JAしまね 大國満瑠氏2024年11月28日
JA全農が11月21、22日に開いたTAC・出向く活動パワーアップ大会2024ではTAC部門では全農会長賞にJAフルーツ山梨の竹川要氏、JA京都中央の佐藤聖也氏が選ばれ、JAしまね斐川地区本部の大國満瑠氏が選ばれた。概要を順次、紹介する。
JAしまね斐川地区本部営農部営農企画課 大國満瑠氏
TAC活動によって若手農業者に聞き取りを行ったところ、技術や経営でまだ未熟で成果が上がっていない農業者も少なくないことが分かった。TACとして「若手農業者の経営を軌道に乗せる」という強い気持ちで取り組むことを決意した。
生産と経営の両面からサポートすることが必要と考え横の連携というJAの強みを活かしてチームを作り農業経営コンサルティングを実施した。目的は「農業者の気持ちをいかにして奮い立たせるか」。
現場視察とヒアリングで課題を徹底して抽出し改善案を作成して若手農業者に提案するとともに、改善が図れるまで伴走支援をすることにした。
ぶどう生産者は青年部のリーダーだが、地域の役割を受けすぎて自分の経営が後回しになっていた。自分の経営を最優先させる意識改革を図り、作業場の改善、営農指導員の巡回強化による単収増、TACによる経営勉強会の実施などで経営改善意識が高まった。
町内一番の経営面積のミニトマト農家は先代からの踏襲のままで経営が厳しくなっていた。農中とも連携したコンサルチームが部門別の経営分析を行った。その結果、年2作での収量向上、水耕から養液土耕への転換、非採算部門の撤退などを提案するとともに、従業員から聞き取りをもとに効率的な労働体系へと改善された。
事業承継して2年目の青ネギ農家は栽培技術不足で思うような生産ができていなかったため、生産と経営について毎月定例会を開き、チームでPDCAサイクルを意識してコンサルをした。その結果、販売高は大幅に増え、農業融資活用で資金繰りが改善し経営が安定化した。
コンサルを実施した若手農業者からは「実績が上がることで意欲も上がり自信がついた」などの評価を得た。
チームと一緒に経営改善に向けて取り組んだことで経営に対する意識を大きく高めることになった。若手農業者が努力している姿を示すことで他の部会員にも刺激となり、産地としての発展にもつながった。
JAにとっては地域の農業を担う若手農業者とのつながりが強化されたほか、新規就農者や若手農業者にとって一番近い存在がJAであることを示すことにもなった。
JA主導の経営コンサルに農中が加わるという新しいコンサルのモデルが形成され、JAグループの横のつながりにも寄与できたし、JA内でも各部署からアイデアを出し合って協議を行い、部門間連携が強化された。
また、この取り組みで担い手の将来を思って涙を浮かべるほど本気になってサポートするJA職員が増え、将来に向けたJAの人材育成の一助となった。「何がなんでも成功させる」という強い気持ちは農業者に必ず伝わる。
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