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大気から直接回収した二酸化炭素を農業に活用 JA全農などが実証実験開始①2024年12月3日

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JA全農は大気から二酸化炭素(CO2)を直接回収する分離膜型DAC(Direct Air Capture、直接空気回収技術)装置を農業分野に活用する実証実験を開始し、12月3日に報道陣に公開した。

DAC装置「マクダック」(緑色の装置)

DAC装置「マクダック」(緑色の装置)

DAC技術は九州大学の藤川茂紀教授らが開発した世界トップクラスのナノ膜により、大気から直接CO2を分離・濃縮することを可能にした。この社会実装を進めるために九大と双日などが共同出資で設立したカーボンエクストラクト(福岡市)が、共同開発契約(2024年6月)を結んだJA全農と共同した。

JA全農・営農・技術センター(神奈川県平塚市)内の研究温室に装置(プロトタイプの名称「マクダック」)を設置。回収・濃縮したCO2をトマト栽培施設に供給し、化石燃料を用いずにCO2濃度を高めて光合成を促進させ、収穫量の増加を目指している。

CO2施用配管

CO2施用配管

これまでは購入した液化炭酸ガスの利用し、利用しない場合と比べて2~3割程度収穫量が多いため「同じレベルでの収穫量の増加」(森川哲雄カーボンエクストラクトCEO)を見込んでいる。トマトを選んだのは施設園芸の上位4品目で最大の栽培面積であり、トマトをモデルとして他の品目に展開するためだ。

海外の研究で「施設園芸ではCO2濃度が大気中のCO2濃度(400ppm)を下回ると成長量が極端に低下する」(中澤秀樹耕種総合対策部次長)ことが知られている。従来は液化炭酸ガスで光合成に使われたCO2を補っていた。「マクダック」でも同様に700ppm程度の濃度を維持し、施設園芸適性を評価するとともに、液化炭酸ガスの代替になるかを調査する。また、装置により発生する排熱の利用や、空気濃縮過程で発生する純水を回収し、装置の冷却や潅水(かんすい)装置に利用することも検討する。

大気から直接回収した二酸化炭素を農業に活用 JA全農などが実証実験開始②へ続く

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