20代の5割「将来農業をやってみたい」 JA共済連が農業に対する意識調査2024年12月12日
JA共済連は「農作業安全研修実施強化期間」(12月1日~2月28日)に合わせて、全国の20代男女を対象に農業に対する意識と実態について調査を行った。調査結果から、20代の半数が時間効率を重視し過ぎて疲弊する「タイパ疲れ」を感じている一方、手間をかけることや自給自足の生活に憧れていることが分かった。また、タイパ疲れを感じている人の6割が「将来農業をやってみたい」と農業への関心が高いことも分かった。
JA共済連は農業の新たな担い手の支援や農業振興活動の一環として、次の社会を担う20代にフォーカスし、効率重視の現代を生きる若者と農業に対する意識を探るために調査を実施した。調査は今年11月1~4日、全国の20代男女1万人を対象にインターネットで行った。
調査結果では75.6%が「効率性は重要」、74.3%が「タイパは重要」と回答した一方で、56.1%が「タイパ疲れ」を実感しており、タイパ疲れを感じると回答した人は、あえて手間をかけたり、自給自足をしたり、自然の中で働くことや地方移住への関心が高い。
将来、農業をやってみたい人の割合は52.1%で、タイパ疲れを感じる人では60.2%と農業への関心が一層高いことも分かった。農業志向の20代(700人)にとって農業は「自然と向き合える」「 自分と向き合える」「成果や過程が目に見える」など魅力的な働き方と考えている。
農業への関心度、将来の就農意欲
農業をやってみたいという大学生200人のうち67.5%が将来就きたい職業を見すえてキャリアを選択すると回答。卒業後、社会人としての経験を積み、農業以外の職業に就いて安定した収入を得たうえで就農を考えている。将来の就農に向けては半数以上が準備を始めており、8割が農作業中の事故を防ぐプログラム体験を希望している。
就農したい適齢期は「40代まで」が41.5%で、リタイア後ではなく現役のうちに就農を希望している。やってみたい農業スタイルは、農業と自分のやりたいことを両立する半農半X的な働き方で、家族や仲間、地域社会と連携した持続可能な社会性のある複業型農業だ。
農業を始めたい年代
農業志向の人の56%が農業を始めるために何らかの「準備をしている」ことも分かった。「農家経営」「栽培方法」「起業のための補助制度」について学びたいと考えており、78.9%が「農作業でのケガや事故を防ぐためのプログラムを体験したい」と回答した。
この結果を受けて、農業キャリアコンサルタントの深瀬貴範さんは「自分らしく働きたいと思う若い世代にとって農業が魅力的な選択肢として注目されている。自分の介在価値を感じやすく、『おいしかったです』と言ってもらうことで若い世代の求める承認欲求も満たされる。最近は農業法人に就職という農業の始め方も増えてきた」とコメントを寄せた
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