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焼き芋ブームの火付け役・茨城県行方市で初の「焼き芋サミット」2025年1月22日

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今は「第4次焼き芋ブーム」。2000年頃から続いている。その火付け役となったのは従来のツボ焼きや引き売りとは違うスーパーなどでの店頭販売だ。始めたのは、茨城県行方(なめがた)市にあるなめがた農協(現なめがたしおさい農協)。その行方市で1月17日に全国初の「焼き芋サミット」が開かれた。主催したのは同市と実行委員会。沖縄から北海道まで全国から、焼き芋ファンや焼き芋業者、サツマイモ流通業者、加工業者、生産者、農協・自治体関係者、研究者など約200人が集まった。会場は同市宇崎の鹿行生涯学習センター「レイクエコー」。第2部の交流会は、近くのテーマパーク「なめがたファーマーズビレッジ」で行われた。

官民連携のさつまいも課誕生

サミットで挨拶する鈴木周也行方市長

サミットで挨拶する鈴木周也行方市長

同市は昨年11月に、市役所だけでなく、農協や生産者、流通業者などを加え、サツマイモに特化した官民連携の「行方市さつまいも課」を発足させた。同課は、サツマイモの商談やイベント開催など様々な問い合わせにワンチームとなって対応し、行方市の強みをかたちにしたもので、実在の課があるわけではない。「課員」は約50人。事務局は市ブランド戦略課が担当している。

同市のサツマイモ生産金額は約90億円で、茨城県鉾田市、千葉県成田市に次いで全国で第3位(2022年)。栽培面積は約1000ha。全国ではやきいも祭、やきいもパラダイス、サツマイモ博、おいも万博、おいもフェスなどの行事が、夏冬問わず、東京、大阪、広島、静岡など各地で開かれている。

今回の焼き芋サミットは、さつまいも課発足後最初のプロジェクトで、焼き芋専門家やファンの交流・学びの場とすることが狙い。講演や事例紹介、トークセッションなど多彩なプログラムが用意された。

まず、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)北海道農業センターの片山健二さんが、焼き芋は何故甘くなるのかについて品種改良の歴史を踏まえて説明し、あまはづき、ゆきこまち、ひめあずまなどの新品種や、海外輸出、寒冷地の北海道での作付けなど幅広い解説をした。

続いて、なめがたしおさい農協の金田富夫専務が、同農協でスーパー店舗内での焼き芋販売を始めた動機や苦労話、販売戦略、地域の農林水産物や食品を保護する農水省の地理的表示(GI)保護制度登録と、海外輸出、焼き芋販売戦略と地域活性化が評価され、日本農業賞と天皇杯を受賞したことなどを紹介した。同農協は、焼き芋をスーパーで手ごろな値段で一年中おいしく販売できるスタイルを全国に先駆けて確立した。海外への輸出は17年から始め、タイ、カナダ、香港、シンガポールなどに輸出している。金田さんは話の中で「ただイモを販売するのではなく、イモに関する情報をイモに載せないとダメ」だと強調した。

同農協は、農家で生産されたサツマイモをキュアリング低温冷蔵庫で保管し、一年中いつでも甘くておいしい焼き芋を提供するため、サツマイモの特性を生かした品種リレー出荷を行っている。また、焼き芋マニュアルを作成し、味のばらつきがないように焼き方をマニュアル化し、品質の安定化を図っている。同農協の焼き芋が食べられる店舗は、現在では4000店以上に伸びている。

冷やし焼き芋や自販機も 

交流会で焼き芋の食べ比べ交流会で焼き芋の食べ比べ

トークセッションでは、冷やし焼き芋の可能性やアフターコロナの焼き芋屋事情、新産地北海道の現状というテーマで、焼き芋屋や流通業者、青果市場担当者などが、冷やし焼き芋の現状と可能性、コロナ禍での休業、イベント出店、近況などを伝え、会場からも質問や意見などが出されて、さながら焼き芋交流会のようだった。

パネラーの焼き芋屋や市場関係者からは、夏場でもコンビニなどで冷やし焼き芋の販売が増えていること、暖かいイメージの焼き芋が冷やすことによってプレミアム感が出たこと、オンラインショップやギフト用が増えていることなどが報告され、課題としては「しっかりした土づくり、苗づくりによって良質なサツマイモを作ること。おいしいイモを揃えること」だと業者は強調していた。

最後に、宮崎県日向市にある(株)農福産業の児玉雄二社長が、農業と福祉を通じて障害のある人たちの所得と雇用を作るために、焼き芋自販機を手掛けたことを報告した。同社では、焼き芋自販機を全国各地に150台設置し、真空パックで販売。児玉さんが関係している障害者施設の800人が働いているという。

サミットの最後に、鈴木周也行方市長は「今回のサミットを契機に、焼き芋で多くの人とつながり、焼き芋の可能性を探り、国内だけでなく世界に向けて焼き芋文化を発信して、盛り上げていきたい」と抱負と決意を述べた。

交流会には、サツマイモを使った様々なスイーツやビール、焼酎などが用意され、参加者間の情報交換などが熱く感じられた。また、会場には10種以上の焼き芋も準備され、食べ比べと、焼き芋に合う飲み物総選挙も行われた。鈴木市長は会場で「熱くなければ焼き芋になりませんからね」と、冗談交じりに話してくれた。

同市さつまいも課ではサミットの翌日に焼き芋塾を開き、焼き芋の実技や講義を通して焼き芋屋開業に向けた学習が行われた。

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