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【農協研究会】正・准組合員の期待に応える農協 事業と運動どう作る?2025年2月17日

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農業協同組合研究会(会長:谷口信和東大名誉教授)は2月15日、東京・中央区の農協協会「サロンJAcom」で「正准組合員の期待に応える農協のあり方を考える」をテーマに研究会を開いた。

JAcomサロンで開催された研究会

JAcomサロンで開催された研究会

主催者のあいさつで谷口信和会長は、2014年からの農協改革が政府の規制改革会議が主導する「むき出しの新自由主義的な農政」のもとで進めれてきたが、それが継続できない局面に陥り、石破政権の登場は「日本の政治と農政に重大な軌道修正が迫られつつあるのが現在の姿」だと指摘した。

こうした情勢のなかで、農協のあり方も正組合員だけでなく准組合員も含めた「組合員と農協の関係という根源的な問題が問われている」とテーマの背景を解説した。

JAの努力 もっと発信

座長の田代洋一横浜国大名誉教授は解題でこれからの農協のあり方として、信用共済事業と農業事業をともに強化する「両面作戦」が求められ、そのためには組合員理解の促進を図る必要があると指摘した。

とくに准組合員の事業利用は、地域によっては貯金の4~6割、貸付金の4~8割、共済の3~5割となっており、経常利益がどう使われているか、JAの努力を正准組合員に伝え理解を得る必要があるとした。田代氏の分析では信用共済の利益で営農指導の赤字を補てんする額は減少していることや、農業事業の赤字も減少している。

そのうえでJA事業の利用部門と目的が異なる正組合員と准組合員がともに協同する場として「地域づくり」がJAの活動の鍵であり、そのために支店運営委員会や生産部会など既存の組織と活動の見直しや、正准組合員が参画する新しい場づくりなども課題になるなどと指摘した。

組合員のニーズを分析

茨城県・JA常陸の秋山豊組合長は大規模担い手、中核的担い手、多様な担い手など組合員の類型によるJAへのニーズの違いに応じた取り組みの必要性を話した。

総じて営農の規模によってJAの利用度と期待度が生産系事業から生活系事業にシフトしているとという。たとえば、担い手層には自動運転農機を稼働させるためのGPS電波を受信するためのアンテナの設置や、栗の自動収穫機の開発などで担い手からの声に応えている。また、消費者ニーズの高まりも踏まえた有機栽培の導入も4年前に始めた。

一方、准組合員は安心な農産物の提供へのニーズが高く、住民向けの子ども食堂などの開設や、オーガニック給食支援貯金キャンペーンなどを展開している事例を報告した。

「おらが農協」意識醸成

長野県・JA松本ハイランドの田中均組合長は「小さな協同」の重要性を強調した。JAは組合員が主役の組織だが、「おらが農協」という意識を持たない組合員が増えるとJAは単なる1事業者として選択の対象となってしまうとの危機感から自己改革を「組合員や地域住民が参加する小さな協同を数多く作り出す」ことに力を入れてきた。

そのために「協同活動みらい塾」など組合員教育の場をつくり、人材を育成している。同時に「支店協同活動運営委員会」を設置し、組合員の願いや困りごとの解決をめざす協同活動を展開することをめざす。「組合員が当事者意識を持ち、その活動を職員がプロフェッショナルとして支える姿」を強調した。

基礎組織の再編が課題

神奈川県・JAはだのの宮永均組合長は、農家の高齢化と減少への対応について報告した。

同JAの基礎組織「生産組合」はJAから組合員への情報伝達や生産資材の予約取りまとめのほか、組合員座談会や地域資源の保全活動など重要な役割を担っている。同JAでは正組合員と准組合員を区別せず、准組合員も生産組合に加入する。しかし、組織の核となるのは農家でその比率が1.3%となるなか、生産組合の弱体化が懸念されている。

こうしたなか農業者の協同組合という枠組みにとらわれず、地域農業と地域社会の活性化の両方に貢献していくJAをめざしてきた。

ただ、活発な活動をしている生産組合もある一方で高齢化や離農などで組織の存続も危ぶまれる地域のもあり、今後は一戸複数加入や、他の地域との連携なども課題だとした。

生産する消費者を育成

岐阜県・JAぎふの岩佐哲司組合長は「准組合員」問題について報告した。岩佐氏は「准組合員を農業の応援団に」という考えは正組合員を支える准組合員という位置づけに留まってしまうことから「それでは農業者の減少は止まらない」として消費者が農業を始めるきっかけとなる収穫体験や市民農園などをJAが支援し、まずは「生産消費者」になってもらう。その後に正組合員へと資格を変更し、産直施設への出荷者へとステップアップするかたちをめざしているという。

地域の消費者が求める農産物を作るという意味で「地消地産」を掲げ、地域のなかに農の価値を認める住民を作っていくことが大事だと話す。消費者が求める農産物の栽培基準を「ぎふラル」として制定し、今後本格的な取り組みを進める。

報告を受けた元JA全青協会長の飯野芳彦氏がコメント、「農家である正組合員に営農でしっかり稼がせていなければ農業協同組合ではない」と指摘し、正組合員が豊かに暮らしてこそ、准組合員との地域協同活動なども展開できるとの考えを示した。

討論ではこの点も含めて議論したが、共通したのは、正組合員に対する営農指導や農産物の販売力向上などは農協として当然の「一丁目一番地」の取り組みだが、現状では農家だけで地域農業を守れなくなっており、地域住民や消費者など連携、仲間づくりとしての准組合員対策が求められていることが強調された。

また、JAの活動を地域に発信する重要性や組合員教育はもとより、職員の育成など課題も指摘された。

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