【農協研究会】報告Ⅰ:組合員のニーズ聞き対応を JA常陸・秋山豊組合長2025年2月18日
茨城県・JA常陸の秋山豊組合長は多様化する組合員の実態に応じた事業の必要性を強調した。
秋山豊組合長
組合員のニーズ聞き対応を JA常陸・秋山豊組合長(youtube動画)
正組合員の割合は58%だが、専業農家、自給農家、土地持ち農家と分化しており、准組合員も加えれば、そのニーズは多様だ。水稲でいえば大規模農家、中核的担い手農家が約70%の生産額を占めており、ここのニーズと期待に応えていくことが課題である。
最近の取り組みではトラクター、田植え機などで自動運転内蔵の農機が普及したことから、衛星からのGPS電波を中継し自動運転の精度を上げるためJAの営農センターの屋上にアンテナを設置する。利用する組合員からは電波受信料をもらう。
また、栗の面積拡大の最大のネックになっているのが栗拾い作業だと担い手農家から要望があり、JA独自にメーカーと連携し自動収穫機の改造に取り組んでいる。
SDGsや環境への関心の高まりから消費者ニーズや行政の姿勢の変化もあり、JAの子会社が3年前から20種類の野菜と米で有機栽培を試験導入し成功している。今年度から専門の地域振興部を設置し一般農家への普及に取り組んでいる。この取り組みの起点は消費者、女性であり、それがJAに変化を生んでいる。
年金農家が始めた枝物部会も正組合員の協同活動が起点となった。26年前に県中役員を退任した石川氏が故郷の中山間地域で花桃など枝物の産地づくりを始めた。2005年には9人で枝物部会を立ち上げ、年金+枝物を小規模農家に呼びかけた。現在部会員は144人まで増え販売高は2億4000万円に成長した。
JAは職員を配置し施設整備、補助事業の導入などで支援した。この取り組みはJA側からの仕掛けではなく正組合員の協同活動から生まれ、JAの組織や事業を活用して発展した農協本来の事業形成といえる。
一方、准組合員のうち、まったく農業をやっていない人の割合は41%であり、多くは食と農への関心は強く住民向け料理教室や子ども食堂、住宅ローン利用者の農業体験への招待などを企画している。
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