【農協研究会】報告Ⅱ:「おらが農協」意識を生み出す JA松本ハイランド 田中均組合長2025年2月18日
JA松本ハイランドの田中均組合長は昨年決議した第30回JA全国大会スローガンの「組合員・地域とともに、食と農を支える協同の力」の意味をどう捉えるべきかを指摘した。
田中均組合長
JAの自己改革は経済合理性の追求に偏っていないか。営農経済の赤字をどうなくすかといった経済合理性の追求は当然だ。問題は「おらが農協」という当事者意識を持たない組合員が増えていることだろう。そうした組合員が増えるとJAは単なる一業者とされ、事業は選択の対象となる。わがJA意識はJAの土台で事業は柱だが、土台がしっかりしていなと柱を建てても家は壊れる。
したがって、自己改革の中心的な課題は組合員や地域住民が参加する小さな協同を数多く作り出していくこと。組合員自身が願いの実現や困りごとの解決のために協同するという活動をビルトインしていかなければならない。
そのためわれわれのJAでは組合員の役割も規定し、JAの構成員としてJAのビジョン実現をめざⅡして主体的に協同活動に参加・参画することとしている。
理事の役割は支所・支店でビジョン実現のためリーダーシップを発揮すること、トップはわがJA意識を持つ組合員を増やすための環境整備をすることとしている。そして職員はプロフェッショナルとして組合員、役員の活動を支えるのが役割としている。職員はあまり前に出ず主役である組合員を支える。
こう考えると第30回JA全国大会スローガンは、組合員・地域「とともに」であり「のために」ではないことが分かる。ただし、協同活動を生み出すには仕掛けが必要。組合員との対話は必要だが、対話で終わらせずに議論し参画してもらう。当JAでは支所協同活動を生み出す人材を育成するため協同活動みらい塾を開催してきた。
また、支所運営委員会を支所協同活動運営委員会とした。目的を組合員が主体となって願いや困りごとの実現と解決に向け協同活動を実践する、とした。地域の協同活動を活性化することによって「JAはこんなこともやっているんだ」との理解が得られる。テーマによっては准組合員の意思反映にもつながる。
重要な記事
最新の記事
-
【農協研究会】報告Ⅰ:組合員のニーズ聞き対応を JA常陸・秋山豊組合長2025年2月18日
-
【農協研究会】報告Ⅱ:「おらが農協」意識を生み出す JA松本ハイランド 田中均組合長2025年2月18日
-
【農協研究会】報告Ⅲ:地域の農業と社会の双方の活性化に貢献する JAはだの宮永均組合長2025年2月18日
-
【農協研究会】報告Ⅳ:"地消地産"で消費者や准組合員の仲間づくり JAぎふ 岩佐哲司組合長2025年2月18日
-
【農協研究会】コメント:正組合員に稼がせなければ農業協同組合ではない 元JA全青協会長 飯野芳彦氏2025年2月18日
-
米の「民間輸入」急拡大 兼松は1万トン 仕向け先は外食から小売まで2025年2月18日
-
備蓄米売り渡し 説明会に200人超参加 買受後は精米での流通を原則 農水省2025年2月18日
-
GDP600兆円超えも個人消費伸び悩み 食品値上げ影響 実質賃金アップが鍵に2025年2月18日
-
備蓄米売り渡し 手続きを迅速化 江藤農相2025年2月18日
-
「ときめく作物育てたい」新規就農でイチゴ農家に JAいるま野就農支援2025年2月18日
-
コメ代金の総額が10億円も上振れした外食企業の苦悩【熊野孝文・米マーケット情報】2025年2月18日
-
こども食堂やフードバンクに牛乳など約40万本無償提供 新たにドナルド・マクドナルド・ハウスにも JA全農2025年2月18日
-
令和6年産米の調達と令和7年産以降の調達強化対策 JA全農に要請 日本生協連2025年2月18日
-
群馬県産こんにゃく原料使用「味噌田楽」など新商品をファミマで発売 JA全農2025年2月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第106回2025年2月18日
-
農林中金岡山支店と萩原工業 岡山県の森林組合とJクレジット活用の連携協定2025年2月18日
-
春芽アスパラガスの出荷が始まる JA鹿本2025年2月18日
-
福島県トップブランド米「福、笑い」の塩にぎり 全国のローソンで18日発売2025年2月18日
-
千葉産オーガニック「有機れんこんのカレー」「有機かぶのスープ」発売 石井食品2025年2月18日
-
パックごはん全商品を価格改定 11~14%値上げ サトウ食品2025年2月18日