JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
季節の野菜テーマに2016年9月1日
広報誌を手にとって最初に見るのは表紙だが、次に目が届くのは表紙をめくった2、3面である。ここに何を載せるか、定番の総代会やお祭りなどのイベントがないときは編集者泣かせである。多くの広報誌はここに人物を持ってきているが、これからは秋作物の出回る時期である。野菜や果樹を主役にしたテーマもよい。人物と合わせた写真にもなりやすい。作目をテーマに、写真を使った広報誌を探した。
◆梨への思い伝える【JAあいち豊田】
夏から秋にかけての果実の主役はみずみずしさが売り物の梨である。愛知県JAあいち豊田管内の豊田市とみよし市は梨の産地で、同JAの「グリーンボイス」9月号は、この梨で特集を組んでいる。
22歳から72歳までの、夫婦合わせて8人の梨栽培農家が登場。それぞれ自己紹介と、梨栽培への思いをコメントの形で掲載。さらに梨とハクサイのサラダの作り方を紹介し、紙面に変化をつけている。
これに過去と比較した価格の推移、卸売市場の評価などを加えるといっそう充実したものになる。
◆特産掘り起こしも【JA佐久浅間】
長野県のJA佐久浅間の「JAHOO」8月号は「信州人参」を特集として取り上げている。通称「朝鮮人参」とも、「オタネニンジン」あるいは「高麗人参」とも呼ばれる。
長野県のほか島根県、福島県などで栽培されているが、栽培方法が難しく、収穫まで5、6年かかるため、高齢化とあいまって栽培者が減少し、いずれの産地も青息吐息の状態にある。かつて同JA管内では3000人近い生産者がいたが、いまはJAの信州人参部会員22人。「JAHOO」は歴史を振り返り、技術の開発に苦労した先人の功績をたたえている。人気の作目もいいが、伝統ある作目を掘り返すことで、地域への愛着を育てるのもJAの重要な役目である。
◆トマトの加工品も【JAひがしみの】
産出額で野菜のトップはトマトである。岐阜県のJAひがしみのの「ひがしみの」8月号はこのトマトを特集。同JA管内は夏秋トマトの栽培が盛んで、中山間地域の涼しさと昼夜の気温差で、品質のよいトマトができる。2~4ページをフルに使い生産状況や生産者組織の会長、そこで働く研修生の女性就農者のコメントや経営を紹介している。また最後にトマトのおいしい食べ方やトマトを使ったドレッシング、カレー、ジュースなども紹介。トマトの紹介なので赤一色になるのはやむをえないが、写真の大きさなど、もう少し扱いにメリハリがほしい。
◆アングルに工夫が【JAさが】
JAさがの「季楽里」の人物紹介「農彩百選」(のうさいひゃくせん)は、連載もので103回を数える。インタビュー方式で簡潔な質問でつないでいる。
9月号はハウスミカン農家の若い担い手が登場し、農業への思いを話している。2、3面の見開きで、表紙にも同じ人物を掲載した。表紙と見開きの一体型で、写真は3枚とも同じハウス内だが、アングルやピントを工夫し変化を出そうとしている。
たまたま9月号の人物がハウスミカン農家だったのかも知れないが、これから出荷が増えて季節的にもマッチしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日