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JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー

「足下の明るい内に」 人口減にそなえ1県1JAに 萬代宣雄2016年12月26日

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 新世紀JA研究会の第1回危機突破・課題別セミナーで、昨年1県1JAとなったJAしまねの前組合長・萬代宣雄氏に、合併の経過や、これからの展望について話してもらいました。

萬代宣雄 島根県は平成27年、県信連を統合して最終的に1県1JAにこぎつけました。その取り組みが、全国のJAの組織整備の参考になれば幸いです。
 島根県の人口が70万人を割り込み、将来とも人口減少が想定され、15年後には現在の4分の3.52万人台になることが予想されます。高齢化率も6割強になり、その中で出産年齢の若い女性は4割減と見込まれています。こうした推計は、将来への不安感をいやが上にも高めました。これからの行政の支援も期待薄なことから、このままではJAは早晩、経営的に立ち至らなくなることは必定で、組織整備が必要だと考えたのです。
 そこで、JA組織検討委員会、ならびに中央会内に組織整備対策部を設け、この問題に取り組み、平成21年3月の組合長会で1JAに向けた組織整備構想案が承認されました。その内容は、(1)県内全JA・連合会は24年度を目途に合併を目指す、(2)組織整備は組合員の意見反映・利益確保・利便性確保・地域特性発揮のため、現JA単位での独立採算を念頭にした地区本部制を導入する、(3)組織整備には十分な組織協議を行なう、というものでした。結果として、新生JAしまねは正・准組合員数23万人となり、県の総人口約70万人の、3分の1を占める規模になりました。
 統合に向けて、(1)まずJAのトップの統合の理解を得て、組合員に説明する、(2)意見の相違を恐れず、素直に議論し、結論を急がない、(3)DVDや冊子を使い、役職員会議・組合員説明会を頻繁に実施する、(4)必要に応じ、行政への協力を要請するという基本スタンスを確認して取り組みました。なお、それぞれのJAとの協議に臨む際には、「県1JA以外の選択肢はなく、統合不参加のJAが出た場合は、計画を白紙に戻す」という確固たる姿勢で協議にあたりました。
 新生JAでは「地域を守り発展させ、協同組合の原点を大切にする」ということを基本に地区本部制を採用しています。
 地区本部間の競争によって相互向上を促そうという狙いです。職員の給与は統合前の待遇を維持し、地域性を重視し、地区本部で収支管理を徹底し、自己完結することとしました。
 さらに農業振興への積極的な投資を促すため、常に新しい発想を引き出し挑戦し、決して守りに入らない。組合員のJA離れを阻止するため、地区の運営委員が地区本部や組合員の要望事項を吸収できる体制にすることなどを確認しています。
 統合の次には、総合力強化に向けた提案制度の強化や役職員間のコミュニケーションの強化です。そのため、自発的研修制度など協同組合運動者としての教育・研修への一層の取り組みが求められると考えています。

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