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JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー

キーワードは農と食2017年2月23日

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◆利用制限は法律違反(明田報告・意見交換)

准組合員問題を討議するセミナー ●准組合員に制限付き議決権を付与することは、なぜJAで議論されないのか。
 ●正組合員の権利を制限しない意思反映のための議決権の付与では、法改正は必要ではなく、定款改正や場合によっては規約でも定めることができる。問題は、何を目的として行うかである。准組合員をどのように位置づけるかがはっきりしなければ、対策を進めていくことはできない。
 ●事業利用規制は、准組合員の事業利用権を認めた農協法違反にあたるのではないのか。
 ●事業利用の制限は出資者たる准組合員の財産権の侵害ともいえる。行政府によるどのような法律上の措置も可能ということもあるが、主張すべきは主張していくべきである。
 ●准組合員は古くから議論されているが、なぜ今回、利用制限など極端な考えが出てきたのか。
 ●利用制限は、営農指導事業をJAの第一の事業にするという法律改正以来の職能指向の考えが徹底しないことの役所の苛立ちからきている。それにしても、農業重視という価値観の押し付けだけではなく、それなりの理屈は必要であろう。

◇    ◇

◆准組総代の役割検討(迫沼報告・意見交換)

 ●京都のJAでは准組合員を総代にしているが、これは以前から検討されていたのか。
 ●平成27年の1月に准組合員に議決権を与えてはどうかという議論があり、定款変更の議論もしたが、認可が難しいだろうということでその発展形として准組合員総代ということになった。だが、准組合員総代を提起した以上、われわれには大きな責任があり、今後そのあり方について、検討していかなければならないと考えている。
 ●島根県のJAしまねには17万人の准組合員がいるので、100円のパンフレットを配るにしても、1700万円の経費がかかる。どう対応しているのか。
 ●今のところ、准組合員総代としての経費は、研修会くらいのものにしか使っていない。

◇    ◇

◆全体の戦略示せ(小山報告・全体質疑)

 ●JAの中に准組合員を位置づけないという政府の方針はすでに決まってる。これから准組合員対策を行うといっても手遅れで、それは法改正以前の取り組みではないのか。現実的な対応方策を議論すべきだ。
 ●即効性はともかく、准組合員からの総代選出で、JAへの理解が深まってきている。
 ●協同組合という観点からみれば、農業振興だけでなく、協同組合企業形態の必要性からも議論すべきで、JA内だけの議論をしていると孤立する。農協法の上位概念に協同組合がある。
 ●准組合員の事業利用規制については、調査が行われることになっているが、政府の考えは明らかだ。銀行や保険会社などがない地域ではJAの存在が必要で、准組合員の利用規制はかけないが、それ以外の地域では准組合員の存在は不要であり、規制するということだ。こうした議論に立つのではなく、農業振興のためには准組合員の存在が必要だということを明確にしていくことが重要だ。
 同時に、准組合員の事業利用規制は受け入れられないが、加入については、農業振興に協力する者に限るというような、メリハリの利いた具体策を考えることが必要ではないのか。
 ●准組合員の切り離しは、アメリカの市場開放要請に応えたものではないのか。
 ●そのようなことが背景にあると思うが、JAは農業振興について答えを出していかなければならない。准組合員が切り離されれば、経営的にも成り立っていかないが、同時に農業振興について何ができるかを考えなければならない。
 ●准組合員を対象にした事業展開のためには、今後、代理店化の具体策についても検討していく必要がある。
 ●そうは言っても、代理店化はJAから信用事業を取り上げることを意味する。JAの破たん防止策としてはともかく、そのようなことが選択肢になりうるのか。
 ●政府は、都市農協についてはもはや念頭にない。他方、中山間地域ではお金がなくて農業振興に取り組めない。重要なのは地域の農業・JAの発展であり、JAの枠を超えたJAグループの全体戦略が求められている。
 ●信用事業の事業譲渡や代理店化は、あくまでJAの自主選択という取り組みが必要だ。JAは組合員の組織だということを再認識すべきである。
 ●JAは農業振興を行う組織だが、准組合員について、(1)食のために農が必要だということでJAへの理解を求めるということ、さらに進んで、(2)家庭菜園や将来の大規模農業経営者など農業の担い手になることを意識した取り組みが必要だろう。食と農がキーワードだ。
 ●JA改革にはJA外部の人の理解が必要だ。それには、「農」だけでなく「食」の大切さを訴えていくことが重要である。
(写真)准組合員問題を討議するセミナー

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