JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
特集は狙い定めて2017年3月23日
広報紙は、それを通じて発信者が何を訴えるのかという意思がなければ単なる「お知らせ」になってしまう。それならわざわざ冊子でなくてもよい。まず狙いとするテーマを決める必要がある。農協協会に届いたJAの広報紙のなかから、テーマ性、内容の優れたものを選んだ。
◆クイズで獣害対策 【JAたじま「リレーション」(3月号)】
兵庫県のJAたじま管内は、全国の中山間地域の例にもれず獣害に泣かされているところだ。獣害は、いわば"アリの一穴"。いくら完璧と思っても、1か所が破られると全滅ということも珍しくない。
「リレーション」の特集は「見直そう 間違いだらけの獣害対策」。最初のイラスト=写真右=で獣害対策を施したほ場で間違いの場所を探し、次のページのイラスト=同左=で正しい防除策を示すというクイズ方式。間違いにはその理由を別項で説明してある。イラストもシンプルで分かりやすい。
これから春作が始まる。今のうちに防除施設の点検、餌となる収穫残さの片付けなどを徹底しておきたい。
◆県内で統一企画【JAひだ「飛騨」(3月号)】
広報紙は管内の情報だけでなく、他のJAのことを伝える役目もある。特に県内のJAの情報くらいは欲しい。そこで岐阜県の7JAは県下統一広報企画に挑戦している。それがここに紹介するJAひだの「飛騨」の「岐阜の味力紹介します」である。
統一広報企画は県内のJA広報担当者が集まった研究会で提案があったもの。年2回の予定で次回は各JAの店舗(直売所等)を取り上げる。夏休みに訪れ、その地の名物や特産を知ってもらおうという狙いだ。原稿は研修で集まったときに作成し、もちろん自分のJAのことを加えてもよい。
◆自己改革の実績【JA横浜「Agri横浜」(3月号)】
JAの自己改革が喫緊の課題になっている今日、「農協改革」は避けられないテーマだ。神奈川県のJA横浜の特集「自己改革の歩みとこれから」は、「農業所得増大に向けた1年」のタイトルで、農業所得増大のため同JAが定めた4つの施策の取り組み結果を紹介している。
生産者とそのコメントを入れ、4つの施策の関連写真もうまくちりばめてある。組合長が登場し、平成29年度に向けた決意と呼びかけをしているのもよい。ただ、それぞれの施策に甲乙つけがたいことは分かるが、扱いにメリハリをつけてもいいのではないか。
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