JAの活動:JAの新代表に聞く
【JA新代表に聞く】第1回 西尾宗雄・JA福井市南部経営管理委員会会長2018年5月22日
毎年、3月から6月にかけて全国のほとんどのJAの総会や総代会が行われます。そこで新たに農協の代表になられた方々にこれからの抱負と決意を聞いた。
『豊葦原の瑞穂の国』。その思いを忘れない!
JA福井市南部は、文殊山を中心とする自然に恵まれた地域にある。そこで収穫されるハナエチゼンやコシヒカリなどのお米は清らかな水に育てられ「文殊菩薩の知恵を授かるお米」とも言われる。新しく経営委員会会長となった西尾宗雄さんに今後の経営方針などを聞いた。
「私は、福井大学の出身で、卒業後は日本道路公団に就職、長く高速道路の建設と管理に携わりました。平成19年にいけぶ農事組合法人を設立し、同時に理事となり、そこから『農業』と真正面から取り組むことになりました。しかし、実家は江戸時代以来の農家で、まさに『農業で産湯を使って』育てられたようなものです」と笑う。
(写真)西尾宗雄・JA福井市南部経営管理委員会会長
今年度は中期3ヶ年計画の最終年度にあたる。
「計画の根本にあるのは、農業者の所得向上と地域活性化、組織基盤の確立です。しかし、当JAの経営環境はきわめて厳しく、特にこの10数年間はいわば『低空飛行』の状況が続いています。昨年度の事業収益は約12億円で、黒字を確保しているものの、これは信用事業が好調だったためで、決して安閑とはしていられません。やはり米や野菜づくりを基盤とした安定した経営体にしていく必要があると思います」
JA福井市南部の自己改革工程表では、農業生産の拡大を旗印に「水田フル活用」を掲げ、麦を29年度の215haから30年度までに220haに、キャベツを1.4haから1.6haに拡大する目標を立てている。平成27年にオープンした営農支援センターは、その目標達成の拠点となるものだ。
「ここは『売れるコメづくり』の拠点として整備したものですが、また次世代へ農業をつなぐ拠点ともなります。一年を通して栽培技術講習会を開き、地域の担い手を育成しつつ、地域の園芸振興に役立っています。今後は農家の所得向上にもっと直接つながるようにしたいですね」
センター設置はJAの意識改革を進める上でも大きな意味を持ったと言う。
「月並みですが、やはり役職員一同が一丸となり、JA福井市南部が将来も農業と地域社会を守る不可欠なインフラとして存在し続けられるよう全力で臨むしかありません。土地柄でしょうか、当JA職員は引っ込み思案なところがあります。いかに職員のモチベーションを上げていくかもポイントです」
古事記の記述「豊葦原(とよあしはら)の瑞穂の国」とあるように、日本は元来「お米の国」であるはず、と力を込め、「北陸の農村風景は四季折々で見事な姿を見せてくれます。そうした日本の原風景のような『見えない資産』を死守していくこともJAの大切な使命の一つではないかと思います」と語った。
(にしお・むねお)
昭和22年福井市生まれ。71歳。
(関連記事)
・【JA人事】JA福井市南部(福井県)新経営管理委員会会長に西尾宗雄氏(18.04.17)
・JA福井市南部(ホームページ)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2024年7月16日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月16日
-
30年目を迎えたパルシステムの予約登録米【熊野孝文・米マーケット情報】2024年7月16日
-
JA全農、ジェトロ、JFOODOが連携協定 日本産農畜産物の輸出拡大を推進2024年7月16日
-
藤原紀香がMC 新番組「紀香とゆる飲み」YouTubeで配信開始 JAタウン2024年7月16日
-
身の回りの国産大豆商品に注目「国産大豆商品発見コンクール」開催 JA全農2024年7月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鹿児島県で黒酢料理を堪能 JAタウン2024年7月16日
-
日清食品とJA全農「サプライチェーンイノベーション大賞」で優秀賞2024年7月16日
-
自然派Style ミルクの味わいがひろがる「にくきゅうアイスバー」新登場 コープ自然派2024年7月16日
-
熊本県にコメリパワー「山鹿店」28日に新規開店2024年7月16日
-
「いわて農業未来プロジェクト」岩手県産ブランドキャベツ「いわて春みどり」を支援開始2024年7月16日
-
北海道で農業×アルバイト×観光「農WORK(ノウワク)トリップ」開設2024年7月16日
-
水田用除草ロボット「SV01-2025」受注開始 ソルトフラッツ2024年7月16日
-
元気な地域づくりを目指す団体を資金面で応援 助成総額400万円 パルシステム神奈川2024年7月16日
-
環境と未来を学べる体験型イベント 小平と池袋で開催 生活クラブ2024年7月16日
-
ポーランドからの家きん肉等の一時輸入停止を解除 農水省2024年7月16日
-
JAタウンのショップ「ホクレン」北海道産メロンが当たる「野菜BOX」発売2024年7月16日
-
「野菜ソムリエサミット」7月度「青果部門」最高金賞2品など発表 日本野菜ソムリエ協会2024年7月16日
-
「幻の卵屋さん」本駒込に常設店オープン 日本たまごかけごはん研究所2024年7月16日
-
地元の食材を使ったスクールランチが累計20万食に コープさっぽろ2024年7月16日