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JAの活動:今村奈良臣のいまJAに望むこと

【今村奈良臣のいまJAに望むこと】第57回 「真のJA自己改革にむけたJA経営の今後のあり方を探る ―「JA人づくり研究会」第29回研究会の報告・討議の紹介―2018年6月16日

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今村奈良臣・東京大学名誉教授

 第29回JA人づくり研究会が今年の1月に「真のJA自己改革にむけたJA経営の今後のあり方を探る」をテーマに開かれ、西井賢悟氏(JC総研=現在JCA=主任研究員)の現場リポート「JA自己改革にむけた取り組み実態と課題」、実践報告1としてJA福岡市専務理事・宗欣孝氏より「都市地域JAからの報告」、ついで実践報告2として、JAみっかび代表理事組合長後藤善一氏より「純農村地域JAからの報告」が行なわれた。その後、総合討論・意見交換があり、その核心部分を報告して参考に供したい。

1.開会あいさつと問題提起

 はじめに、肱岡弘典氏(JA全中常務)の開会あいさつのあと、副代表の黒澤賢治氏ならびに仲野隆三氏による開会あいさつを兼ねた問題提起が行なわれた。内容が重要な論点を含むので紹介しておこう。

 

2.黒澤副代表のあいさつと問題提起

 各JAが、それぞれの地域の特性を踏まえ、独自の改革を実践されています。自己改革のポイントは「地域に根ざす協同活動」として、しっかりと活動していくことです。地域の課題を組合員の皆さんと共に、協同活動の中で実践していく、協同組合の原点的な部分を含めた検討や実践が要求されています。
 地域の中でJAが果たす役割は大きいものがあります。私は群馬県のJA甘楽富岡に所属していますが、JAは地域に欠くことのできない地域のインフラだということを実感しながら、日々の協同活動に参画させていただいています。今日の研究会でしっかり論議して、同じ悩みを持った役員が、問題を共有する。あるいは良いノウハウをしっかり吸収してさらにフィードバックする。そんなヘッドクオーターの役割を果たせる研究会になることを願っています。

 

3.仲野隆三副代表のあいさつと問題提起

 「現場の動きからみえてくるJA自己改革をめぐる疑問点」という観点から問題提起をしてみたい。
 まず、自己改革は誰のためにするのでしょうか。農家、組合員の目線から見ると、「自己とは誰のことか」、「何をもって改革というのか」という疑問が生まれてきます。一番問題なのは、JAが取り組んだことについて、誰が評価するのかということです。「自己改革とは組織のための、組織による自己改革」なのか。「組合員による、組合員のための自己改革」なのか。私は現場の声が絶対に必要だと感じております。5年間の改革期間は余すところ1年半しかありません。平成31年4月までです。改革目標は、農協組合員の所得向上と生産コストの低減です。生産資材は下がったといいますが、販売する現場の職員にマーケティング戦略がなければ、いくら生産資材のコストを下げても売り上げは伸びません。逆に、マーケティング戦略があったとしても、資材が高かったら、所得は増えません。生産・販売は一体です。ここをきちんと整理しているかどうかが最大のポイントです。組織合併が進む中、地域組合員の声を事業や運営にどう反映させるか、組合員と役員で知恵を絞ってほしいと思います。
 (西井報告、宗報告、後藤報告はかなり長文になるので次回以降にゆずることにする)。

 

本シリーズの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

今村奈良臣・東京大学名誉教授の【今村奈良臣のいまJAに望むこと】

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