JAの活動:今さら聞けない営農情報
【今さら聞けない営農情報】第3回 圃場管理ソフト2019年4月26日
最近の農業は、担い手への農地集約が進み、管理しなければならない圃場数が200や300筆をゆうに超えている担い手農家も少なくありません。
それだけの数になってくると、水田や畑ごとの栽培計画や作業管理を紙ベースの手作業で行うと、想像を絶する労力がかかり、間違いも多くなり、農業経営にとってはマイナスです。
また、GAP認証を取得する場合など、生産記録を正確に残し、速やかに提示する機会が増えていますので、圃場管理をいかに効率よく行うことができるかが、今後の農業経営のカギとなります。
この圃場管理という作業を効率よくこなせるようにし、管理労力を軽減してくれるのが、圃場管理ソフトです。農業ICTの技術の進歩とともに、様々なメーカーから提供されています(表)。
どのソフトも衛星写真や航空写真上に管理圃場を登録し、圃場ごとに生産計画や作業記録を残すことができ、ソフトによっては使用する農薬の登録チェックや費用計算、農業機械の稼働状況の記録といった作業もこなすことができます。
圃場管理に必要な機能はどのソフトにも備わっており、これまでの紙ベースでの管理作業から解放され、格段に効率よく、労力をかけずに管理できるようになります。どれを選ぶかは、使い勝手や運用にかかる費用、あるいは使用する農業機械が何なのかといったことを考慮して選ぶとよいでしょう。
ただ、これまでにエクセル表で圃場管理をこなしており、新たに管理ソフトの導入が不要と考えているような方には、全農が提供しているZ-GISをお試しになることをお奨めします。このZ-GISは、エクセル表に位置情報(ポリゴン)を記録し、圃場ごとに作付作物や作業記録といった情報をエクセル表に書き込んでいくだけの単純な構造が魅力です。情報の入力はエクセルが使える方ならすぐに馴染めるのも魅力です。そうやって入力した圃場に紐付けされた情報を色分けし、文字を表示させた地図を簡単に印刷できる機能があり、日々の作業管理情報を地図上に落として、視覚的にわかりやすく共有できるようになります。興味のある方は、Z-GISの専用ホームページをご覧下さい。
ところで、これらの圃場管理ソフトを活用するには、圃場ごとに位置情報(緯度経度)を示すポリゴンデータが必要ですが、あらかじめポリゴンデータがあると管理ソフトへの圃場登録が容易になります。
この農地の区画情報(筆ポリゴン)は、農林水産省が実施する耕地面積調査等の母集団情報として、全国の土地を隙間なく200メートル四方(北海道は、400メートル四方)の区画に区分。そのうち耕地が存在する約290万区画について衛星画像等をもとに筆ごとの形状に沿って作成した農地の区画情報です。
関係機関等(地方公共団体、農地中間管理機構、農業委員会、都道府県農業会議、全国農業会議所、土地改良区、農業共済組合などの農業関係団体)を通じて入手が可能なので、一度農水省のホームページを確認して下さい。
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