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【今さら聞けない営農情報】第22回 土壌の改良(6) 窒素2019年10月11日
前回までに、土壌改良の基礎として「pH」「EC」「CEC」「塩基類」「リン酸」の意味と改良の仕方を紹介しました。今回は、肥料の3大要素として最も重要な窒素について紹介します。
1.窒素とは
窒素はNで表され、土壌中では「有機態窒素」と、作物にすぐ吸収される「無機態窒素」があります。有機態窒素は、土壌中の微生物によって分解(無機化)され、無機態窒素となってはじめて作物に吸収されます。つまり、作物が利用する窒素は、全て無機態窒素ということになります。そのため、有機肥料は無機態窒素に分解されるまで時間がかかるので、作物へ窒素の効果を発揮する速度はゆっくりになるのです。
無機態窒素には、「アンモニア態窒素(NH4+)」と「硝酸態窒素(NO3-)」の2種類がありますが、アンモニア態窒素は土壌中にいるアンモニア化成菌などの微生物によって硝酸態窒素に変化(硝酸化成作用といいます)します。
また、アンモニア態窒素はマイナスに荷電している土壌に吸着して土壌に止まることができますが、硝酸態窒素は土壌に吸着せず、水にも容易に溶けるので、水の流れに乗ってほ場外に流れていきます(このことを溶脱といいます)。
窒素は、作物の生育や収量、品質に大きく影響します。作物の身体をつくるタンパク質や核酸、葉緑素、ホルモンなどの材料になり、生育促進などの働きをします。
窒素が過剰になったり、欠乏したりすると以下のような影響が作物に表れます。(表参照)
2.窒素の測定
無機態窒素(アンモニア態窒素と硝酸態窒素)は、塩化カリウム溶液に反応させて抽出し、抽出されたアンモニウムイオンと硝酸イオンはそれぞれを比色法で測定します。
3.窒素の改良
作物・品種ごとに標準窒素施用量があるので、その標準量となるように土壌分析の結果を考慮して施肥します。土壌分析機関に処方箋を出してもらうとより正確な施肥ができます。
本シリーズの一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
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