JAの活動:今さら聞けない営農情報
【今さら聞けない営農情報】第23回 土壌の改良(7) 腐植2019年10月18日
前回までに、土壌改良の基礎として「pH」、「EC」、「CEC」、「塩基類」、「リン酸」、「窒素」の意味と改良の仕方を紹介しました。今回は、土づくりに重要な腐植について紹介します。
1.腐植とは
腐植とは土壌に含まれる有機物のことで、その含有量が土づくりのための指標にもなります。土壌に腐植を施すことにより、土壌の物理性や化学性、さらには生物性を良好にすることができます。
土壌に施用された有機物は、微生物の働きによって分解し、減少していきますが、その分解の速さは、温度が上昇したり、耕耘によって土壌構造の破壊や酸素の供給量が増えたりすると早くなります。
土壌中には一定の有機物の量が保たれていることが良い土の条件となります。有機物が減っている場合は、堆肥などを施用してやる必要が出てきますので、土壌の種類ごとの改善目標に従って追加します。
地力増進基本指針における土壌有機物含有量(腐植)の改善目標(乾土100gあたり)は以下のとおりです。
2.腐植の測定
腐植の測定には、乾式燃焼法など専用の機器で求めることが標準となっていますが、全農法と呼ばれるピロリン酸ナトリウム・水酸化ナトリウム液で浸出し、この溶液の色から測定する方法が簡単で便利です。
3.腐植の改良
腐植は有機物のことですので、有機質肥料を施肥すればすぐに腐植の含有量が上がると思いがちですが、そう上手くはいきません。
有機物を大量に施用すると、窒素やリン酸の過剰となって土壌に悪影響を与える結果ともなりますので、一時的に施用できる量には限りがあります。
このため、腐植(有機物)の含有量を改善するには、毎年堆肥を適量施用するなど、時間をかけて増やしていくようにします(腐植の集積効果)。
本シリーズの一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
【今さら聞けない営農情報】
重要な記事
最新の記事
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日
-
【注意報】過去10年間で最多誘殺 水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2024年7月18日
-
【注意報】平年の4倍 水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年7月18日
-
「JAサイネージ」 JA本店や金融店舗の情報発信にも利用拡大 あぐラボ2024年7月18日
-
【人事異動】JA全国共済会 新会長に坂本富雄JA埼玉県中央会会長(7月18日)2024年7月18日
-
スマホでより便利に「石川県Aコープ(ジャコム石川)アプリ」提供開始2024年7月18日
-
TOWING「宙炭」活用 根域制限栽培によるシャインマスカット栽培実証開始 日本農業2024年7月18日
-
バイトアプリで1万人採用 農中提携の農業人材サービス 労働力確保に寄与2024年7月18日
-
令和6年度JAグループ宮城 県南地区で1台目となる共同購入コンバイン出荷式 JA全農2024年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 全県で多発のおそれ 秋田県2024年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年7月18日
-
【注意報】野菜、花き類にオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 過去10年最多の昨年を上回る誘殺 千葉県2024年7月18日
-
【注意報】ネギにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 千葉県2024年7月18日
-
【注意報】果樹全般に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年7月18日
-
農業用ドローン専用カスタマーサポート 繁忙期で対応拡大 ナイルワークス2024年7月18日
-
食物繊維が豊富なもち麦2種の品種登録 成果を紹介 生研支援センター2024年7月18日
-
AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」エントリー&ハイエンドモデル同時リリース2024年7月18日
-
静岡県産「マスクメロン」使用 期間限定ショートケーキ登場 カフェコムサ2024年7月18日
-
鳥インフル カナダ・オンタリオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月18日